第20話 「とりあえずみんなでアルバイトやるか」 エリア:貿易都市サウザン(ギルド:輝ける星々)
「アルバイトしかないな」
俺はみんなにそう言い放った。
「アルバイトと言うけど、二週間で金貨500枚なんて稼げるのかい?」
「そうだな……シャルル、ここら辺でアルバイトしたら日給いくらくらい稼げる?」
「もう、質問に質問で返さないでよ。日給は12時間働いて大体金貨2枚くらいかな」
シャルルは頬を少し膨らませながら、俺の質問に答えてくれる。
「つまり時給は約銀貨2枚くらいってことか」
ふむふむ……全然足りないな。
日給が金貨2枚だとして6人で二週間働く。
二週間で稼げる額は金貨168枚。
これじゃあダメだ。
どうしよう……
「あ、あの……知り合いにお金借りてくるとかはどうでしょうか!」
「却下」
俺はメイプルの意見を即却下した。
「なんでですか!」
「借金が膨らんで確実に返せなくなる未来が見えた」
「そんなことないですよー!」
「いいかメイプル、借金を返すために借金をするとどんどん利子が膨らんで最終的にはどうしようもなくなるんだぞ? 利子って怖いんだぞ?」
「うぅ……そうですね……」
なんとかなっとくしてもらえたか。
借金を返すために借金をするなんて愚の骨頂。
一時的な凌ぎにしかならず、返す金が増えるだけだ。
「どうしましょうか〜」
「マリーさん、何かいい考えはないですか?」
「ごめんなさい〜、全然考えが浮かばないわ〜」
「そうですか……」
まあ、そうだよな。
無茶苦茶だもんなぁ。
「はぁ……発光石が手に入ったらなぁ」
発光石を10個集めれば金貨500枚なんてすぐ稼げる。
そんなことを考えていると、つい愚痴をこぼしてしまう。
だが……この行為が一つの奇跡を呼び起こした。
「……発光石を手に入れる方法ならある」
「え……?」
シェリーがとんでもないことを口にした。
発光石を手に入れる方法がある?
どんな方法なんだ?
「……昔、メアウ山脈の洞窟で見つけた」
「ほ、本当か!?」
「……本当」
これしかねえな……!
俺は確信した。
これしか金貨を500枚稼ぐ方法は無い。
「シルフィー」
「な、何よ?」
「これから二週間山籠もりになるぞ」
「は? 何言ってんのあんた?」
「発光石を手に入れて金にするって言ってんだよ!」
まったく、なんて理解力の無さだ。
こんなこともわからないのか。
「そんなの無理に決まってるじゃない」
俺はシルフィーの発言がトチ狂ってるとしか思えなかった。
シェリーがあると言ってるのだ。
無理なはずがない!
「なんでだよ! もうこれしか手はないだろ!」
バンッと机は叩き、俺はシルフィーに訴えかける。
するとーー
「ユウ、シェリーが言っているのはメアウ山脈北部にある洞窟のことよ? ここからだと馬車を使っても10日以上かかるのよ? 期限に間に合わないじゃない」
「……」
シルフィーの話を聞いて俺は真顔になる。
発光石を探して売飛ばし、金貨500枚を稼ぐのは物理的に不可能。
他に金を稼ぐ方法もない。
そうなると結局のところ答えはーー
「……とりあえずみんなでアルバイトやるか」
全員静かに頷いた。




