第19話 「入団」 エリア:貿易都市サウザン(ギルド:輝ける星々)
「あんたは部外者なの、わかる?」
俺は数秒考え、シルフィーの問いに答えた。
「マジで?」
「マジよ!」
「マジかー、俺てっきりギルドへの入団認められたと思ってたわー」
「そんな話題一回も出てないでしょ!」
シルフィーはギャーギャーわめきながら床ドンをかましてくる。
こいつカルシウム足りてねえな。
顔面に牛乳ぶっかけてやろうか。
真っ赤な赤髪に真っ白な牛乳……いちごミルク?
ふむふむ……
「……なんかエロいな、牛乳ぶっかけって」
「あんた何言ってるのよ! 私の話聞いてるの!?」
「ウン、キイテルキイテル」
「なんで棒読みなのよ!」
さっきまでの静寂が嘘みたいに思えるうるささ。
まあ、主な原因はシルフィーなのだが。
「落ち着きなよシルフィー。今日はいつも以上に騒がしいよ?」
「何よシャルル、あのことバラされたいの?」
「ユウ、君がシルフィーを怒らすからいけないんだ」
なんだろう、見たくもない上下関係を見てしまった。
「あ、あの、シルフィーの言うことも一理あると思います」
「確かにそうね〜」
おどおどしていたメイプルとニコニコしていたマリアさんが、シルフィーの考えに賛同する。
「……私たちのことは気にしないで」
一人黙り込んでいたシェリーも小さな声で呟いた。
これで俺以外の全員がシルフィーの考えと同じということになる。
「わかった? これが私たちの考えよ」
「……」
「認めてくれるかしら?」
そうか……こいつらツンデレなんだな。
しょうがない奴らだ。
「ツンデレしなくていいんだぜ」
「なっ!?」
「そもそもだな、俺はあのお兄さんたちから逃げ切る自信がないし、生活するための金がねえ」
『……』
「いいか? 俺たちは一蓮托生なんだ。それに人が多い方が金は稼ぎやすいだろ?」
少女たちはお互いの顔を見合う。
「で、でも!」
「あー、面倒くせえ。……頼む」
俺は土下座とまではいかないが、頭をしっかりと下げシルフィーに頼み込む。
正直なところ、このギルド以外に俺は入団させてくれそうなギルドはない。
つまり、このギルドに入団できなかったらぼっちになってしまう。
異世界に来てまでぼっちとかマジ勘弁。
「……わかったわよ。あんたの入団認めてあげるわ」
「ありがとう、シルフィー」
「あ、あんたの為じゃないんだからね! ギルドの為だから!」
「はいはい」
「んぐぐっ……!」
何はともあれとりあえずギルドに入団できそうだ。
よかったよかった。
「みんな、改めてこれからよろしく頼む」
こうして俺はギルド、輝ける星々に入団することとなった。




