第17話 「余命二週間」 エリア:貿易都市サウザン(ギルド:輝ける星々)
「あんたどうして……」
ルーシーが顔を下に向け、わなわなと震えながら俺に話しかけてくる。
「ピンチの女の子がいたら――」
助けるのが当たり前だろ?
そうカッコよく言い放とうとしたが、途中でシルフィーに遮られた。
「土下座なんかしたのよ!」
そっちかよ!
どうして助けたのかじゃなくて、どうして土下座をしたかを聞いてくるのね。
まあ、どちらにしても答えは変わらん。
「ピンチの女の子がいたら助けるのは当たり前だろ?」
よし、今度はちゃんと言えた。
「……! バ、バッカじゃないの! 私たちついさっき出会ったばかりなのに、自分の命をかけてまで助けようとしなくていいじゃない!」
「いいんだよ、俺の中にあるわずかなプラ……ちょっと待って」
シルフィー今自分の命をかけてまでって言わなかった?
俺別に自分の命かけるつもりなんてないんだけど。
土下座しただけでそんな解釈されるの?
「シルフィー、この世界の土下座の意味を教えてくれ」
すかさず俺はシルフィーに問う。
「土下座の意味? そんなの決まってるじゃない。自分の命をかけて相手にお願い、頼みごと、もしくは謝罪をする。あんたの場合、自分の命をかけて私たちのために二週間の猶予を下さいとお願いしたの。もし、約束を果たすことができなかったらあんたの命は奴らの物になる。多分、殺されるか一生奴隷ね」
「よし、今からどこか遠くに逃げよう」
「は? あんた何言ってるの?」
やっちまったぜ。
土下座なんかしたばっかりに変なもん背負うことになってしまった。
二週間以内に金貨500枚稼がないと死、又は奴隷。
余命ができちゃったよ。
「でもまあ、金貨500枚稼げば大丈夫なんだろ? ここギルドなんだから依頼されてるクエストとかクリアして手っ取り早く稼ごうぜ」
ここはれっきとしたギルド。
ならば幾つか依頼されているクエストがあるはず。
せっかく異世界に来たんだからゲームみたいにクエストをクリアして金を稼ごう。
もしかしたら金貨500枚なんてすぐに稼げるかもしれない。
「無理だよ。僕たちのギルドにはクエストの依頼なんて一つも来てないんだから」
そう答えたのはシャルルだ。
「クエストの依頼がないってどういうことなんだ?」
「理由は簡単だよ。僕たちのギルドはこの街で最弱のギルドなんだ。そんなギルドにクエストの依頼が来ると思うかい?」
「来ないですね、わかります」
詰んだな。
今まで楽観的な考えしか抱いていなかった罰だろうか。
金を稼ごうにも仕事がない。
というか、クエストの依頼が来ないのに、今までよくギルドとして成り立ってきたな。
「一体どうすりゃいいんだ……」
俺は頭を抱えた。
こんな絶望的な状況どう乗り越えれば……
「あっ! 一つだけ手があるかもです!」
全員の視線がメイプルに集まった。
「メイプル、どんな手なんだ?」
「特別討伐クエストです!」
メイプルの答えに俺以外の4人はため息をついていた。




