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剣さえあれば魔法なんていらない!  作者: 神桜
序章 すべての始まり
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第9話 「また会える日まで」 エリア:石切り場(転移装置前)

 

「これが転移装置なのか?」


 ドラゴイルとの戦闘を終えた俺とルーシーは数分休憩した後、大広間の奥にあった通路を通り転移装置のある場所へとやって来ていた。


「はい、これが石切り場に設置されている転移装置です」


 ルーシーが転移装置と呼ぶ場所には魔法陣が描かれているだけで他には何もない。

 本当に転移装置なのか疑問を抱いてしまう。


「魔方陣以外何も無いんだけど……」


「本当に転移装置ですよ。魔方陣の下には様々な回路や魔力結晶が埋め込まれています。何も無いように見えて本当は様々な施しがされているのです」


 ルーシーはふふんと鼻を鳴らし、ドヤ顔で転移装置の説明をしてくる。

 なんでルーシーがドヤ顔してるんだよ……とは口が裂けても言えなかった。


 その後、俺たちは転移装置を使用するための準備を行い、いつでも転移可能な状態へと整えた。


「さて、ユウさん。そろそろお別れの時間です」


「……え?」


 ルーシーの口から放たれた言葉に驚きを隠せなかった。


「お別れ……そうか……」


「はい、貴方を王国の南端にある貿易都市サウザンの近くに転移させた後、私は旅に戻ります」


 キメラに襲われた時から今まで……そんなに長い時間を共にしたわけではないが、何故かルーシーとの別れが辛い。


「……」


「ユウさん、そんな悲しそうな顔をしないでください。金輪際(こんりんざい)の別れじゃないんですよ?」


「そうなんだけど……ルーシー、もし大丈夫なら……俺も一緒に旅に連れて行ってくれないか?」


 ルーシーは驚いたのか口元が開けっ放しになっていた。

 数秒後、返事(こたえ)が出された。


「……すみません、ユウさんを私の旅に連れて行くことをできません」


 がっつり断られてしまった。

 まあ、そうだろうと予想はしていたが。


「やっぱりそうだよな……変なこと聞いてすまん」


 俺は力なく笑う。

 別れの時は笑顔じゃないとな。


「ルーシー、よろしく頼む」


「……はい」


 ルーシーは転移魔法の詠唱を始める。

 詠唱が進むにつれ、俺の躰は光の粒子へと姿を変えていく。

 そして――


「……え?」


 光の粒子になりかけていた俺をルーシーが抱きしめていた。


「ユウさん、貴方とはいつかまた会えます! これから様々な苦労や試練があるかもしれません、ですがきっとユウさんなら乗り越えられます!」


「……ああ、俺頑張るよ!」


 俺は力強く頷き、満面の笑みをルーシーに向ける。

 それがルーシーへのお礼であり、再開の約束。


「それと貿易都市サウザンに到着したら、冒険者ギルドを探してください! きっとユウさんの助けになります!」


「了解!」


 冒険者ギルド……しっかり覚えておかないと。

 最後の最後までルーシーには世話になりっぱなしだったな。


「それではユウさん、また会える日まで!」


「ああ! ルーシー、また会える日まで! あっ、そういえば仮面を取ってく……」


 ルーシーに仮面のことを聞こうとした瞬間、俺の躰は光に飲み込まれた。


 1


「ふふっ……まだ仮面の中は見せられませんね」


 ユウを送り出したルーシーは、微笑みながら転移装置を眺めていた。


「私の正体は謎のお姉さんってことにしておきましょう」


 ルーシーは顔につけている仮面に手をかけた。


「ユウさん……いえ、悠さんならきっと魔王の元まで辿り着けます。そして、またいつか……」


 出会える。

 ただ、それだけを信じて。


「さて、それでは私も仕事に戻りましょうか。今日も迷える生命を導かないと」


 顔につけた仮面を取り、ルーシーは転移魔法でその場をあとにした。

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