06.後回しにはツケが付いてくる【Side彼】
「確認しますが、目的ははっきりしているのでしょう?」
「あぁ、そこは俺も納得してるし、言われなくてもたぶんやる」
ディーを連れ戻すこと。
合わせる顔がないとか、そんなこと言うよりも、やっぱりそばにいてほしいと思う方が強い。なめんな、そんなちっぽけな想いだったらあの時、ウヌディビティバルドゥにさっさと契約解除してもらってたっつーの。
たぶんじゃ困るのですけれどね、と呟かれた言葉は聞かなかったことにしておく。
「つまり、貴方にとって嫌だと思う部分はその過程にあるのでしょう?」
「……甘いって言われる部分だけどな」
「甘くて結構。貴方がそうでもなければ、私はとうにここから離れていますよ。魔族的な考え方は、私も嫌いです」
「あれ? 俺もしかして見捨てられる寸前だったか?」
「もしかしなくても、貴方の行動によってはいつだって見捨てますよ」
「アズラスひでぇ! お前誰の味方なんだよ!」
「私は私の味方です」
言い切ったよひでぇ。そこは嘘でも俺の味方くらいは言ってくれてもいいじゃねぇか!
「まぁ、貴方が魔族らしからぬ魔族だから、こうして教育者なんて立場に甘んじているのでしょう? 竜人族たる私を味方にしてるのですから、そんな不貞腐れないで下さい。これだから子どもは」
「……どうせガキだよ」
「自覚しているなら結構」
くっ、容赦なく切り捨てられた。いつものことだけど、やっぱ堪える。
「いいですか、オルドビス」
「なんだよ」
「ふてくされてないで聞きなさい」
はい、人の話を聞くときはしっかりと相手の目を見て、とむりやり視線を合わせられる。
真剣な瞳が、真っ直ぐに俺の方を見ていた。
「貴方が気にくわないやり方ならば、やらなくても結構です」
「でも、それじゃ」
「えぇ、周りは許さないでしょうね。ですが、貴方なりのやり方で周りの者が期待した結果以上の結果を残しなさい。それなら誰も文句は言いません」
むしろ私が言わせませんよ、と言いきるアズラスは、薄らと微笑んだ。
「できないとか、無理とか言う前に、考えなさい。貴方がやりたくないと思ったやり方は、本当に最終手段です」
言下に、思うようにやってみればいいと言われている気がした。
そう、言ってもらいたかったのかもしれない。なんか、決心ついた。
ディーに会いに行く決心も。
兄貴が言う期待以上の成果を残せと言った対象についても。
面倒くさい決まりとか、見栄とか、そんなん全部。
理屈無視して、とりあえずやってやる。
「考えるのは苦手なんだけどな……」
「たまにはその脳を使ってやらないと、本当に退化しますよ」
「そ、それは嫌だ」
「ならせいぜい酷使してさしあげなさい」
頭は何のためにあるのですか? と続けられて、俺は珍しく、真剣に考え始めた。
……結論が出る前に脳みそ爆発しねぇといいけどな。
安心して、ビスの頭が爆発する前に私の頭が爆発する!
前の三つがちょっと量があったのに対して、今回やけに少なくてごめんなさい。
いや、でも当初はこれくらい短かったよね? なんて開き直ったらいけませんかそうですか。
でも、ようやく!
アズラスをまともに活躍させられそうな展開に持って行けそうです!
ごめんね、エアーな扱いばっかで。ちゃんとヒーロー以外の見せ場も作る予定ではあるから安心してね! ねっ!?




