表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界×あたし  作者: 葉山
【第二章】ようこそ、勇者様
PR
56/71

05.後回しにはツケが付いてくる【Side彼女】


 頼むよ、そんな簡単に毎回神様とか言わないでください。


「えっと、それで何? ウヌディさまの落し物?」

「ウヌディビティバルドゥですわ、ディーさま」

「う、ウヌディビテ……」


 おぉう、そんな長ったらしい名前をあたしが言えるとでも思ってますか無理です。何度正式名言わせようとしたって、言えないものは言えないからね。諦めてください。


「まぁ、よろしいですわ。……落し物ですわね」


 それが伝わったのか、ミモザも深ぁくため息をついて諦めてくれたみたい。それから少し悩むようにしてから、失礼しますわね、と席を立ってしまった。

 えっと、こんなところに一人残されても困るのですが。

 ソファーに座ってゆっくりと伸びをしながら、さてどうしようと考える。ウヌディさまの落とし物がなんだか気になりはするけどね。


「ウヌディさまねぇ……」


 なぁんか、妙な縁があるなぁとは思うよ、うん。ウヌディさまの顔を殴って(タックルかまして?)起こしたせいかな。それは断じてあたしだけのせいじゃないって言わせてほしい。

 問題はそれだけじゃなくて、あたしがあまりにも知らないことが多すぎるってことだと思う。

 幸い、ミモザにはあたしが異界人だってことバレてない。バレてないけど、これ知られてもいい内容なのかな。アズラスさんはあっさりと見破ってくれたけど。

 ……よくよく考えてみると、この世界の人間に会うのも初めてだよね。


「スバル」


 呼びかけると、彼はぱたりと耳を動かした。ちゃんと聞いている、とでも言いたいのかな?


「前に言ってたよね、あたしが知りたいと思ったこと、一つ一つにちゃんと答えてくれるって。あれってまだ有効?」


 言葉はちょっと違うかもしれないけど。そんなことは言ってくれたよね?

 スバルは、今度はちゃんとあたしの方を見上げて、くるりとその細い瞳孔を輝かせる。


「この世界って、どうなってるの?」


 知らないといけないと思った。外に出るのなら、知らないと。無知は最大の罪であるとか、誰かが言った言葉があったような気がする。気のせいだけかもしれないけど。

 少なくとも、ウヌディさまがあたしを元の世界に還せるって分かってるから、すぐに還りたいとは思ってない。我ながら薄情だとは思うけどさ。

 スバルはゆっくりと一つ瞬きをして、ひらりと隣のソファへと飛び移る。それからぐっと伸びをしたかと思えば、人の姿へと変わる。


「マスターが知りたいことは、一つずつ、納得いく答えを返す。だから一つずつ俺に聞くといい。そう言ったことは、マスターがマスターである限り有効だ」


 覗き込むようにして、身を屈めてくれる。視線が、近い!


「だ、からっ! 近いって言ってるでしょっ!」

「すまない」


 反省はその場しのぎでしかないの!? なんて思っちゃうのは不可抗力だと主張させて下さい。

 スバルを適正距離まで下がらせて、これでようやく話ができる。ふぅ。


「それで、改めて聞くけど、この世界ってどうなってるの?」


 スバルは少し考えるようなそぶりをしてから、ゆっくりと口を開いた。


「この世界は、ウヌディビティバルドゥが創りし世界だ」

「創造主で、神様だもんね、ウヌディさま」

「あぁ。そしてウヌディビティバルドゥは様々な命ある者を作り出した。その中でも知能がある種族は特に繁栄し、同時に力あるものは衰退した」

「え、ちょっと待って。それ矛盾してない?」


 知能がある種族は繁栄してるのに衰退してるって、どういうこと? 少子高齢化社会みたいな、そんな現象とか?


「ある種族が繁栄すれば、ある種族が衰退する。そういう定めであり、仕組みとなっているのだから当然のこと」

「えーと……当然と言われてもね」

「具体的に話そう。繁栄したのは人間と魔族。衰退したのは従魔と竜人族だ」


 なんだか話が長くて壮大になってきたから、簡単に略すね。

 人間は自分と似て異なるモノである従魔を利用し、排除してきた。その人並み外れた身体能力は利用できるだけ己らの進化の発展に利用したが、その姿が明らかに異なるために、共存することができなかった。

 そのため、人間は繁栄した。対象的に従魔は衰退を余儀なくされた。

 竜人族はその巨体に眠る魔力が膨大であり、長寿の種族であるからして元々の種族の数が少ない。それなのに、ある時その力をわがものにしようとした魔族が複数で竜人族を狩り始めた。

 そうして手にした力により魔族は繁栄したが、数が少なかった竜人族は更に衰退の一手を辿っている。

 ……なんと言うか、ものすごく弱肉強食な世界なんですね。


「見かねたウヌディビティバルドゥは、救済措置として従魔と竜人族に加護を与えた。俺たちには、その御身を守る役目を。竜人族には、神の目として世界の情勢を伝えるための役割を」


 あ、あんな小さななりなのに、そんなすごいことやってたんだ。ウヌディさま地味にすごくない?


「これにより、必然に起こったのは魔族と人間の全面戦争。それを止めたのも、やはりウヌディビティバルドゥだったが」

「ウヌディさまって、すごかったんだね」

「神だからな」


 今度会う機会があったら、ちゃんと謝ろう。感謝を伝えよう心からありがとうと。見かけだけで侮って申し訳ありませんでした、と。


「……ここからは、人間も魔族も知らないことなのだが」

「ちょ、秘匿すべき部分は秘密にしておくべきだと思うよ!」

「だが、マスターは知りたいと思っているのだろう? この世界のことを。その中でも特に重要なことだ」


 それに、マスターにも深く関係している。

 なぁんてそんなことを言われたなら、聞きたいと思っちゃうのは仕方がないことだと思いませんかっ!? 思うよね、あたしだけじゃないよねっ!?


「えぇと、それって……?」

「魔族と人間が契約する由来に値する」


 わぁ、これはつつかない方がよかった部分かもしれない。


説明苦手……。余計ごっちゃになったらごめんなさい。

とりあえず最後のところにつなげたかっただけなんです。


誰がどれくらいの情報を知っていて、どれくらいのことが常識となっているのか、と言う部分を書ければいいのですが、モジュール図にして伝えた方が絶対早いと思いました。

が、それをあえて文章で表すのが物書きなのだと思います。


それでもって、スバルの距離の近さはデフォルトのようです(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ