第7話 トイレでの邂逅 〈前編〉
「ねえ、横浜市立第一高校の七不思議を全部知ってる?」
「確か、
怪人男子アンノウン
デス・デッドミラー
蟲毒の花子さん
死書様
幻想絵世界
終始階段
レクイエムの音楽室
でしょ…。」
*
「都市伝説が具現化したら怖かったなぁ。」
ウチ、夢見 想子は今までの出来事を思い出していた。
「メリーさんはストーカーだったし、赤マント・青マントの二択はどっちも破滅だし、ターボババァは暴走族みたいだったなぁ。人を襲わない都市伝説はいないのかなぁ。」
と言いながらウチは忘れ物を持ち帰った。
「それにしてもなんで都市伝説は具現化してしまったんだろう?」
と思ったが、
「まぁ、理由はないんだろうなぁ。」
と言おうとしたその時だった。
「…夢見 想子さん。」
とウチを呼ぶ声がした。
「誰だろう、こんな時間に。」
と思いながら声の聞こえた方向へ向かい、
その声が聞こえた場所に着いた。
「う、噓でしょ。」
ウチを呼ぶ声は3階の女子トイレの3番目の個室からだった。
*
「みんなは知ってるかしら?横浜市立第一高校の参番目の七不思議、蟲毒の花子さんのことを。昔、イジメを受けていた花子さんて言う女子高校生がいたの、イジメのせいで友達がいなかったのだって。そして、クラスメイト達によって殺害されたのだけど、その殺害方法が蟲毒だったらしいわぁ。その後、3階の女子トイレの3番目の個室に花子さんの霊が出現するようになって友達を作ろうとしているらしいのよ。だけどね、絶対に花子さんと友達にならない方が良いわよ。もし、友達になったらどうなってしまうか分からないからねぇ…。」
*
「ま、まさか、蟲毒の花子さん?」
とウチはその七不思議を思い出して恐れていた。
「そ、そんな噂話がほ、本当な訳がないよね。」
と思っていたが、
「…夢見 想子さん。」
と明らかに3番目の個室から声がしたからウチは勇気を出して3番目の個室のドアを開けた。
けれどもそこには、
誰もいなかった。
「なんだ、やっぱり蟲毒の花子さんは噂話だから実在する訳がないか。本当に実在すると思ったウチが馬鹿だった。」
と思いウチはドアを閉めようとした。
「夢見 想子さんはもっと噂話を信じた方が良いわよ。」
という声が背後から聞こえた
「え?」
と言ってウチは背後を振り向いた。
「きゃぁー。」
とウチは悲鳴を上げた。
そこには、
宙に浮いたウチと同い年くらいの女子高校生がいた。
「良い悲鳴を上げてくれてありがとうね。そして初めまして、夢見 想子さん。私は、参番目の七不思議、蟲毒の花子さんよ。貴方とお話がしたくてここまで来ていただいたわぁ。」
ウチは3階女子トイレにて花子さんと邂逅してしまった…。




