↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
67/92

第66話 「交差する記憶――芸能と会社の境界線」


龍雷神・秘書課フロア。


午前の空気は、いつも通り静かに流れていた。


書類をめくる音、パソコンのキー音、短い指示のやり取り。


その中で――


⸻


榮助(えいすけ)は、思わず足を止めた。


⸻


「……え?」


⸻


視線の先にいたのは、ただの来客ではなかった。


⸻


秘書課の入口に立つ女性。


落ち着いた佇まい。

だがその存在感は、明らかに“普通の来客”ではない。


⸻


山本彩香(やまもと あやか)


⸻


龍雷神社長・黄金(おうごん)の妻。

そして――


元GRT48グループ0期生。

総選挙10年連続1位という“伝説のセンター”。


⸻


その姿を見た瞬間、

秘書課の空気が一段階変わる。


⸻


菫(すみれ)も手を止める。


「……あの人が」


⸻


美枝子(みえこ)が小さく息を吐く。


「来たのね……彩香さん」


⸻


⸻


彩香は穏やかに周囲を見渡し、


そして一人の女性へ歩み寄った。


⸻


千星穂波(ちほし ほなみ)。


⸻


穂波は一瞬、固まる。


「……え」


⸻


彩香は柔らかく笑う。


「久しぶり、穂波ちゃん」


⸻


その声を聞いた瞬間、


穂波の表情が揺れた。


⸻


「……あ、彩香さん……?」


⸻


⸻


榮助はその様子を見て、驚きを隠せない。


(知り合いなのか……?)


⸻


彩香は穂波の前に立つ。


「覚えてる?昔、ステージで一緒に踊ったよね」


⸻


穂波はゆっくり頷く。


「……はい」


「でも……顔は……すみません、今は少し……」


⸻


彩香はすぐに察するように微笑む。


「いいのよ」


「声、ちゃんと覚えてるから」


⸻


その言葉に、穂波の肩の力が少し抜ける。


⸻


彩香は続ける。


「相貌失認のこと、聞いてるわ」


「でもね、あの頃から穂波ちゃんは変わってない」


⸻


「“人をちゃんと見ようとしてる”ところ」


⸻


穂波の目が揺れる。


「……ありがとうございます」


⸻


⸻


その会話を遠くで見ていた榮助は、静かに呟く。


「……すごい人だな」


⸻


菫が小さく頷く。


「龍雷神の“頂点の家族”ですからね」


⸻


⸻


その時――


秘書課の扉が再び開く。


⸻


「失礼します!」


⸻


勢いよく入ってきたのは、若い女性。


凛とした目つき。

芸能人特有の存在感。


⸻


朝倉秋晶(あさくら あきあき)


⸻


現役GRT48メンバー。

そして――


芸能音楽部門・芸能俳優女優部の両方に関わる立場を持つ存在。


さらに、


朝倉怜奈の娘。


⸻


秋晶は周囲を見渡し、軽く手を振る。


「ママ来てるって聞いて来た!」


⸻


視線の先には怜奈。


そしてその隣には彩香。


⸻


「彩香さんもいるんですね……!」


⸻


彩香は少し驚きながら微笑む。


「秋晶ちゃん、大きくなったわね」


⸻


⸻


榮助はその光景を見て、思わず呟く。


「……これ、会社の中ですよね?」


⸻


菫は少しだけ笑う。


「龍雷神では、よくある光景です」


⸻


⸻


穂波はまだ少し戸惑いながらも、


周囲の“繋がり”を感じていた。


⸻


過去(GRT48)

現在(龍雷神)

そして家族


⸻


それらが、同じ空間で交差している。


⸻


⸻


彩香は穂波にそっと言う。


「ここはね、もう“ステージ”じゃないの」


「でも、人と人が繋がる場所なのは同じよ」


⸻


穂波は小さく頷いた。


「……はい」


⸻


⸻


その瞬間、榮助は理解する。


(この会社……)


(ただの企業じゃない)


⸻


“人の過去と現在が同時に動く場所”だと。


⸻


⸻


そしてその日、秘書課には新しい空気が生まれた。


穂波、彩香、秋晶。


それぞれの立場が交わりながら――


物語はまた一段、深く動き始める。


⸻


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。