↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
41/49

第41話 「日常の中の非日常――秘密が形になる日」


朝。



会社のビルは、いつも通りに人を飲み込んでいく。



エレベーター、打刻音、資料の束。


何も変わらない朝に見える。



だが、その内部では確実に“配置”が変わっていた。




営業サポート課。


榮助はデスクに座り、淡々と作業を進めていた。



木更津瑛二が通りかかり、軽く声をかける。


「体調の方は問題ないか」



榮助は顔を上げる。


「はい。問題ありません」



瑛二は一瞬だけ目を細める。


「無理するなよ。“家庭”の方もあるだろ」




その言葉は、遠回しだったが核心を突いていた。



榮助は短く答える。


「ありがとうございます」




その少し後。


経理部会計課。


菫はいつもより少しゆっくりと資料を整理していた。



北条恵子が声をかける。


「今日は本当に無理しないでいいからね」



菫は軽く頭を下げる。


「ありがとうございます」




(“隠している”というより、“静かに守られている”)


そんな感覚が少しずつ芽生えていた。




昼休み。



社内のカフェスペース。



偶然のように、しかし必然のように、


榮助と菫は同じ時間に同じ場所へ来ていた。



桜の話を少しするだけの短い会話。



だが、その中に“夫婦としての距離”が確かに存在している。




その様子を、


遠くから見ていた社員たちは気づかない。



いや、気づけないようにしている。




午後。



営業サポート課。


新しい案件の資料が回ってくる。



その中には芸能部門との連携案件も混ざっていた。



“龍雷音楽部アイドルプロジェクト”


“スポーツ部スカウト契約管理”



榮助は淡々と処理する。



しかしその裏で、


会社全体が巨大な一つの生態系のように動いていることを実感する。




夕方。



退勤時間。



榮助が会社を出ると、


すでに空は少しだけ橙色に傾いていた。




マンション。



エントランス。



そこには偶然のように、


菫と桜が立っていた。



桜は榮助を見つけると走ってくる。


「お兄ちゃん!」



榮助は自然に抱き上げる。



菫は少しだけ微笑む。


「お疲れ様です」




その一言は、


もう“隣人”ではなく、


確実に“家族”の響きになっていた。




夜。



食卓。



桜が笑いながら話す中、


榮助と菫は静かに視線を交わす。




何も言わない。


でも、何も隠さない。




そのバランスの上で、


この家族は少しずつ完成していく。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。