第4章 プロローグ
今回は短い話になってしまいました。
その日は金曜日であった。
時間は午後10時。
ハヤセ・カザトはマルカワ研究所のバイトを終えてから早々に帰宅をし、食事や風呂などを済ませ寝る準備をしていた。
明日もバイトの為早い。
だが、そんな事は全く苦にはなっていない。
最初はマスラへの恐怖から従っていたマルカワ研究所でのアルバイト。
今では逆に自分から率先して雑務や研究に携わるようになってしまった。
なぜカザトはここまで考え方が変わったか。
今でもマスラに対する恐怖心というのはかわらないが、研究所へ行けば行くほど知ることができる"世界中"の情報に、カザトの脳は情報を麻薬のように欲するほど中毒になっていた。
宇宙には数多の知的生命体が存在する事。
空想の中でしかなかった宇宙戦艦や人が乗る事ができる人型巨大ロボット。
魔法や聖法、超能力といった部類の特殊能力。
別宇宙の存在。
これらのものが実際にあると知ったカザトは今まで自分が見てきた世界がどうでも良くなるほど衝撃を受けてしまった。
「(明日は巨大人型兵器のBWとか呼ばれている兵器のシミュレーターに乗せてもらえるんだったよな!あぁ、早く明日が来ないかなぁ)」
と、カザトは楽しみで仕方がなかった。
カザトにとって巨大ロボに乗って宇宙を飛び回るというのは子供の頃からの夢である。
いくら人為的に作られた記憶といえ、脳内にしっかりと刻まれた記憶である事には違いは無い。そしてその夢の実現が後一歩まで迫っているのだ。興奮せずにはいられない。
そんな事を考えながらカザトはそろそろ寝ようかとしていた。そんな時、
プルルルルル。
と、自身の携帯電話から着信音が流れてことに気付く。
「んあ?」
誰かと思い名前の表示を見ると…、
『ナカガワ・ヒジリ』
カザトにとって忌々しく、そして今後の楽しみである復讐相手の名前がそこに表示されていた。
だが、今後の楽しみではあるが、もっと刺激的なことを知ってしまったカザトにとってはあまり重要ではない存在になってしまった。
その為名前を見た瞬間先ほどまでの興奮から冷め切ってしまい、逆に暗く気分が悪くなる。
「……はい」
カザトは一応電話に出て見る。
今更何の用だ。用がある時はこちらから連絡をするのに。そうカザトは思いながらそっけない口調で言葉を話した。
「<カザト…?>」
電話の先は間違いなくナカガワ・ヒジリであった。
「なんの用だ?」
カザトはそう冷たく言い放った。
「<助けて…>」
「は?」
久々に聞いたヒジリの声は疲れ果てており、以前の高圧的な雰囲気はどこかへ行ってしまっていた。
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