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世界戦史の中で~研究所長の狂人マスラさん!~  作者: ルミネ
第3章 機械の命と風を感じたマスラさん
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第3章3話 相手の言い分なんて聞かない


 結果、マスラのマシンは勝った。

 マスラはルイやカザト達から見ると、峠の向こうで待機している。

 マスラ達、レース終了組みは駐車場に車を止めている。

 奥にポツリと建物がある。かつて店があった場所のようだが、今では利用者が居なくなり潰れたという"設定"のようだ。

「(細かいですねぇ)」

 と、マスラは正直感心している。


「おぉ!ホンジョウさんが勝ったぞ!」

 と、駐車場に居た人たちが盛り上がる。


ワーッと歓声が上がり止った車からホンジョウが降りてきた。

 ホンジョウの車はホンジョウの髪と一緒で緑色の配色であった。


「やりましたね!ホンジョウさん!」

「今日もカッコイイゴールでしたよ!」

「後でドライブレコーダーの映像見せてくださいね!」

 と、次々とホンジョウは走り屋達に声をかけられている。

 ホンジョウも満更でもない様子で手を振りながら笑顔を作っている。


 その盛り上がっている場の中、一人の人物が遠目でその様子を伺っていた。


 マスラである。


「(ほぅ。当たりですねぇ)」

 そしてマスラはホンジョウの車をジッと見た後ニヤリと笑った。


「(あの車。全面のパーツが新しいようですねぇ~、うひひ。後はどうやってあいつに近づくか…)」

 マスラはホンジョウが轢き逃げ犯と目星をつけたようだ。そしてその後どうやってホンジョウと接触しようかと思案する。


 そのホンジョウはと言うと、レースが終わって早々にマスラのところに近付いてきた。


「おぅ、お前レースに勝ったようだな!」

 と、声をかけてきた。


「ヘイッ!ありがとうごぜぇやす!」


「はははっ!やっぱり俺の見込んだ通りの奴だった。今度は俺と一緒に走ろうぜ!」


「(お?)」


 マスラはどうホンジョウを誘おうかと思っていた矢先、ホンジョウの方から誘いがあったことに思わず笑みがこぼれる。

 だがマスラは今後ホンジョウと一緒に走るつもり等無い。


「では!この後その事についてお話をお聞きしたいんですけどっ!!」

 マスラはこの機を逃さまいとそう誘いを仕掛ける。


「あぁ、いいぜ。はははっ、やる気があるじゃねぇか!」

 ホンジョウは嬉しそうにマスラの背中をバンバン叩き、


「じゃぁ、この後話をしようぜ!」

 と、過ぎ去っていった。


「(上手くできましたね…。ではあの二人を呼びますか…いや)」

 その時マスラは思い出す。マミの存在を。


「(あの二人にはあの問題児の護衛をさせますか…)」

 貴重な人員を失った事を悔しがるマスラだったが、特段一人でこの問題を片付けるに当たり問題ないと判断し、ルイへ電話をかけた。















 レースが終わり、人が居なくなった。

 マスラは人が居なくなったことにより荒れ放題となった店舗の中へと入り目的の人物を待っていた。


「(しかし、本当にそれっぽく作ってありますよねぇ)」

 と、マスラは店舗の中を見て感心していた。


「よぉ、待たせたな!」

 と、店の中に入ってきたホンジョウ。


「チーッス!じゃ、早速お話を聞かせていただきましょっか!」


「あん!?」

 マスラから漂う異様な雰囲気に顔をしかめ警戒するホンジョウ。

 だが、この店舗に入った時点で彼の運命は決まってしまっていたのである。


「うひひひひ。早速ですがお聞きしたい。貴方、4日程前に女子高校生を轢き逃げしましたね?」


「!?」

 突如突きつけられた言葉にホンジョウは固まった。だが、直ぐに気を取り直して、


「な!いきなり何を言ってやがる!」

 と、言いつつ後ろに下がっていった。


「(なんだ…あいつなんでそんなことを??警察か?いや、警察がこんな回りくどい手を使ってくるか??)」

 と、思案しつつ後ろに気配を感じたのでホンジョウは振り返る。


「な!?」

 更に驚くホンジョウ。

 そこには黒づくめの衣装を着込んだ何者かが2人居たからだ。顔まで黒い布で隠している。

 その二人とはルイとカザトであったが、顔も隠していたためホンジョウはその異様さに圧倒されてしまった。


「うひひひひひひ。別に罪を認めていただかなくてもいいんですよぉ~。ただ、ちょとだけ、ほんのちょっとだけ罰を受けてみましょうかぁ」

 そう言ってニヤリと笑うマスラ。


「!?」

 ホンジョウが幻覚を見たかと思った。

 マスラの口が…笑顔を作った口が耳元まで裂けたのだ。


「ひっ!?」

 その異様さに思わず後退りをしようとしたが後ろにも怪しげな連中がいた事を思い出し、横にある窓へと向かい駆け出した。が、


「おやぁ?自ら来ていただけるとはありがたい。わざわざ捕まりに来るとは思いませんでしたよぉ」

 何故か逃げた方向の窓の近くにマスラが居たのだ。マスラはマスラでただの瞬間移動をしただけだ。


「ちっ!!」

 再び別の窓へと逃げるホンジョウ。


「おんやぁ?また会いましたねぇ」


「ひぃぃいいいい!!どうなってやがる!」

 再び逃げた先にマスラが居た。

 もうホンジョウはパニックである。


「さぁ、もう逃げられないですよ。ルーイ!」

 マスラはルイの名前を呼ぶ。

「はい。マスラ様」


「え?」

 ホンジョウは反射的に返事をしたルイの方向を見てしまった。

「ひっ!?!」

 ホンジョウはルイの顔を見て腰を抜かした。


「ば、化け物…」

 ホンジョウはルイの顔を見てそう言った。


「ひどいですねぇ。ルイはこう見えても美人な方ですよ」

 と、ケタケタと笑うマスラ。

 だが、ホンジョウはそんな風には見えなかった。

 顔が5倍以上大きくなり、大口をけて迫ってくる女をどう見ても美人とは思えなかった。


 やがてルイはホンジョウの近くまでたどり着き、口をいっぱいに開けてホンジョウを取り込んだ。


「んぎゃぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!」


 そんな悲鳴が古く見せかけられて作られた建物から響いた。


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