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世界戦史の中で~研究所長の狂人マスラさん!~  作者: ルミネ
第3章 機械の命と風を感じたマスラさん
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第3章 プロローグ

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―夜。フソウ市と別の市の境目にある峠―



「(今日も抜群にいい走りだぜ)」


 そんな事を考えながらこの峠のを頻繁に活用する走り屋のリーダー格『ホンジョウ・ゴウ』は自身のフルカスタムした車に乗り、今日もフソウ市の端にある峠を爆走していた。


 クネクネとしたカーブが多い夜の道。


 隣の県に続くこの道を使用しているものは殆どいない。


 もっといい道が出来たからだ。


 ホンジョウはタイヤをキュァーーーーキュァーーーー言わせながらドリフトをしまくる。


「(よし、いいタイムだ。これならば今度のレースにも勝てる!)」

 ホンジョウは月に一度、この峠にて行われる走り屋同士のレースに毎回参加していた。

 そのレースでは毎回勝ち続けており、走る事自体が既にホンジョウの生き甲斐になっていた。


「(うひゃひゃひゃひゃ!やっぱり人一人居ない道を走るのは最高だぜぇ!!)」

 そう考えながら峠のカーブに差し掛かり、思いっきりハンドルを回した。


「(うひゃひゃ!名付けてホンジョウドリフト!!って、んん!?)」


 突如、カーブを曲がっている途中、ホンジョウの目の前に髪の長い女が現れた。


「(ちょっ!?間に合わねぇ!!)」


 派手な正面衝突は避けれない!そう誰もが思う光景だろうが、ホンジョウの力量は伊達ではなかった。


「グググ…!」


ギュァアアア!!


 車体を上手くコントロールし、回避を試みた。


ガンッ!!


 だが、左側に僅かに接触をしてしまった。

 通常のドライバーであれば中心で跳ね飛ばしていただろう。


キュキュッ!


 ホンジョウは慌てて止めて車から降りた。


 この時間帯に一人でこんな峠を女が歩いていること自体おかしい。最初は化け物かと思ったが、どうしても車の状態が気になってしまったのだ。屑である。


 ちなみに幽霊とかだった場合はどうしようとホンジョウは考えていた。

 意外と小心者なのである。


「うっ…!!」


 残念な事にホンジョウの愛車の左側は僅かにヘコんでしまっていた。


「くっそ!」

 ホンジョウは怒りに湧いていた。


「(幽霊だろうが妖怪だろうが関係ねぇ!俺の愛車を傷付けやがって!!)」

 重ねて説明するがホンジョウは屑である。

 この惑星の人々とってみても御伽噺の類である幽霊や妖怪であるがホンジョウにとってみては恐ろしい存在なのだ。


「(どこだ?どこ行った?)」

 少し恐怖を感じながら跳ね飛ばした女…だと思う者を捜す。


「(いた!)」

 女はホンジョウの数メートル先に居た。


「(…ん!?)」

 女に近付いたホンジョウは気付く。


「(ガキ…じゃねぇか!しかもちゃんとした人間!)」


 そう。ホンジョウが跳ね飛ばしたのは高校生くらいの女子であり、人間だった。

「(……。~~~~~!!!!)」

 ほんのちょっとだけ安心した後、ホンジョウの内から怒りが湧いてきた。

 何故こんな場所でこんな時間に一人で歩き、自分の愛車にぶつかったのか。

 おかげで車に傷がついた。

 そんな怒りである。


「おい!コラ!テメェ!!」

 そうホンジョウが怒鳴りつけても少女は反応しない。

 どうやら少女はガードレールに頭をぶつけてしまっていたらしく、頭から血を流し、ガードレールにも血がこびり付いている。


「テメェ!コラ!」


 だが、ホンジョウにはそんな事は関係ない。


「テッメェ!」


ガッ!


 なんと、ホンジョウは気絶している少女の腹を蹴ったのだ。


「テメェ!テメェのような屑がいるからっ!俺の車がっ!」


ドガッ!


ガギッ!


ボゴォッ!


 ホンジョウは何度も何度も少女を蹴る。


 腹だけではない。足、腕、背中。様々な箇所を蹴った。


「ぅっ…、ぁっ…」

 少女は小さく呻く。




「はぁ、はぁ…ふん。これに懲りたら二度とこんな事するんじゃねぇぞ!!」

 ホンジョウはそう捨て台詞を吐いて去って行ってしまった。更なる暴行によってボロボロになった少女を置いて…。




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