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世界戦史の中で~研究所長の狂人マスラさん!~  作者: ルミネ
第2章 マスラさん、遺伝子を調査する
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第2章5話 遺伝子調査

※注意!下ネタ回です。苦手な方は回避してください。


「「「!?」」」


「(あ、来た)」


 どこからとも無くそんな残念そうな声が聞こえた。


 男子生徒達は驚いて辺りを見回したが、誰も居ない。


 ただ、エミリだけはその声の人物に心当たりがあった。



「やぁ。助けに来ましたよ?お姫様ぁ」

 突然エミリの足元から黒い煙が立ちこめて人型の姿へと固まっていく。

 そして整った姿はそう。マスラであった。


「お姫様って言わないで!」

 と、エミリはむくれてしまう。


「う~ん、もう少し幼い姿ならロリBBAって言って可愛がったんですがねぇ…今幼女を愛でるような事を貴方にやったら私が変態さんみたいになっちゃいますからねぇ。ですからそんな態度されても愛でませんよ?諦めて下さい」


「どっちにしろ愛でられたくて言ったわけじゃないし、あんたはどの道変態だから!ってか、ロリBBAってなんじゃい!テメェ、この姿だとただのBBAだってか?おっ?」


「エミリさん興奮しないでください…ただのBBAって、誰もそんな事言ってませんよ…それに、仮にも民の代表的な立場なんですから…言動には注意しないと…」

 そう言ったマスラは呆れ顔をしている。まったく困った人ですね。と、言わんとしている顔だ。


「誰のせいよっ!!」

 エミリは顔を真っ赤にしながら言った。


 もうその場の空気は滅茶苦茶であった。

 ようやく我を取り戻したヒョロ男は、


「だ、誰だお前は!」

 と、叫んだ。




「あぁ、これは失礼。『ハヤセ・カザト』君。ですよね?」


 マスラは思いっきり両手を横に広げて上半身だけを後ろに居たヒョロ男に向け、そう質問をした。有り得ない体勢である。


「な!?なんで俺の名前を…?」

 ヒョロ男は恐怖した。目の前の全く知らない好青年っぽいスーツを着た人物は邪悪な笑みで自分の名前を言ったからだ。



「はははっ。怖がらなくてもいいんですよ?私、マルカワ軍需品研究所のマスラ・フラッグと申します」

 と、頭を下げてマスラは挨拶をした。

 とても奇妙な格好である。

 下半身はエミリに向け上半身をカザトに向け、それで尚且つカザトに頭を深く下げているのだ。人間業ではない。


「な、ななな…おい。お前等!そいつを倒せ!」

 あまりの異様さにカザトは護衛係の部下二人に後退りをしながら声をかけるが、


「お、おい!何をやっている!?…え」

 反応が無い護衛二人を見ると、そこには倒れた二人と笑みを浮かべた知らない作り物の様に妙に顔が整った二人の男女が居た。


「だ、誰だお前らは!!?」

 もうカザトはパニック状態である。


「うひひひ。抵抗しなければ痛い目に遭わずに済みますよ?カザト君」


 マスラはそう言って体を元に戻してカザトに近付く。


「く、来るな!と、止まれぇ!!」

 カザトはそう言って足元に転がっていた鉄パイプを手に取り、一番やってはならない行動を取ってしまった。

 そう。マスラ襲いかかったのだ。


「おやおや?」

 マスラはすっとぼけた顔をしながら軽くカザトの足元を蹴る。


「ふぎゃ!?」

 カザトはそれだけで転んでしまった。

 そして上半身を慌てて起こして必死に後ずさって逃げようとする。


「ダメですよぉ~」

「ぎゃっ!?」

 マサラは上半身を伸ばした指で押さえつけてカザトを動けないようにした。


「ルーイ、エイクック。カザト君を抑えて頂戴」


「「はい」」

 ルイとモリノ・エイサク。つまりルーイとエイクックは笑顔のままカザトの手足を押さえた。


「や、止めろぉ!何をする気だ!?」

 カザトは顔を真っ青にして叫ぶ。


「う~ん、抵抗しなければ何もするつもりはなかったんですけどねぇ…。抵抗されたからにはご要望に応えなくちゃいけないじゃないですか」

 何の要望なのかは分からないが、マスラの中では『抵抗する=痛ぶって欲しい』と、考えているようである。


「な!?ななな!?」

 カザトはマスラが何を言っているのか理解できないのか首を振ってイヤイヤとしている。


「実は私、気になっていたんですよねぇ~」

 と、突然マスラが語りだす。


「カザト君のお父さんはフソウ警察署の所長さんという話ではないですか?県庁所在地の市で、尚且つ人口100万人都市の警察署の所長さんだ。エリートさんなんですよね?」

 マスラがそう言うと、カザトは気付いたかのように、

「そ、そうだ。俺に何かあれば親父が―――」

「なのになんでこんなにダメ人間が生まれてきてしまったのでしょう…」

「は!?」

 急に貶されたカザトは怒りの表情を見せる。


「いやぁね?Dr.ジュパーソンは本当にリアルな知的生命体を造ろうとしていたんだなぁと関心もしたんですよ?だって本物の知的生命体では親が優秀だからといって子供が必ずしも優秀だとは限らないじゃないですかぁ。それを無駄に再現しているんですよ?」

 マスラは嬉々として語りだす。

 つま先を軸にクルクルと回転している優しげな青年というのはいささか奇妙なものであった。


「な、何を言って…」

 カザトにはマスラの言っていることが全く理解できてない。

 Dr.ジュパーソン?知的生命体を造ろうとしている?という疑問が頭を巡る。


「ですので。調べたくなっちゃいました。この子の子孫は果たして優秀な子孫に戻るのだろうか…と」

 マスラはピタッと回転するのを止めてカザトの顔をまじまじと見ながら言った。


「しかし、解剖すると死んでしまいますよ?」

 エイクックが不思議そうにそう言うと、


「ひっ!?」

 と、カザトは恐怖に顔を歪める。解剖という言葉が聞こえたからだ。


「もぅっ!我々は超科学技術を持つ宇宙連邦に所属する科学者ですよ?別に解剖しなくてもいいでしょう!」

 一方マスラはプリプリとおこる。

 好青年が頬を膨らませて怒っている姿は普段みるとちょっとほほえましい光景なのかもしれないが、状況が状況なだけに気味が悪い。


「では、カザトさんのご子息を切除致しましょう」

 ルーイはそう言うと指をメスのようなナイフの形状へと変化させる。


「ひぃぃぃぃぃいいいい!?」

 カザトはルーイの指が変化した事よりも自身の息子を傷つけられるという事の方に恐怖した。必死に逃れようとするが、ルーイとエイクックがそれを許さない。


「ちょっとちょっと。そんな怖い事言うの止めてくださいよぉ~。同じ男としてそんな事認められるわけ無いじゃないですか?切り取るとか止めてくださいよ!」

 慌ててルーイの凶行を止めるマスラ。


「では、私がカズト殿のご子息を直接中から調べましょう」

 エイクックがそう言って指を何本もの長細い繊維に変える。


「あ、それいいね」

 マスラはエイクックの意見に賛同する。


「止めろぉぉぉおお!!止め――むぐ!?むぐむぐ!?」

 カザトは叫ぶがマスラに口を塞がれる。

 そして、


「はーい。では、お注射しましょうねー」


プス。


 マスラによってカザトの首元に何かが刺さった。


「ひぃぃ!!?」

 カザトはしっかりとマスラ、ルイ、エイクックに押さえつけられている為抵抗できないまま刺されてしまい小さく悲鳴を上げる。


 ちなみにカザトの首に刺さったものの正体はマスラの細長くした指である。

 注射針のように加工され、カザトの首元に刺してナノマシンを注入したのだ。


「はーい、怖がらなくてもいいからねぇ~。このお薬はねぇ、首から下を動かす事は出来ないけど、触覚は感じることが出来るという便利な代物でねぇ。これから君には素敵な体験をしてもらおうかと思っているんだぁ。あ、勿論心臓とか内蔵機能は動いているから安心してね?」

 そうマスラはニッコリとカザトに言った。


「え…な…なにを…?え?…あ!か、体が動かない!ひぃぃぃぃいいい、た、助けてくれ!ナカグラさん!助けて!!」

 カザトは体が自分の意思に反して動かない事に恐怖し、唯一この狂気に参加していないとおもわれるエミリに助けを求める。


「え…?いや、私椅子に縛られているから助けようにも助けられないんだけど…」

 エミリはそう呆れたように言った後、


「マスラ先生。私はいつ解放されるの?」

 と、聞いた。


 だが、


「今忙しいからちょっと待って!」

 と、マスラに断られてしまう。


「……」

 エミリはもう呆れるしかできない。



「さぁ、ショータイムだぁ!」

 マスラがそう言うと、ルーイが一気にカザトのズボンを引き降ろす。


「ひぃぃぃ!」

 カザトは隠そうにも隠せない自分の息子が露になったことにより顔面が一気に真っ赤になる。



「ん?」

 だが、マスラはカザトのご子息を見た途端、不思議そうな顔をして固まってしまった。

 目をパチクリ。メガネを外し自身の腕で目を擦って再び確認。

 何度見ても変わらないカザトのご子息。


 なぜマスラは困惑しているのか…。それは、



「…あれ?小さい?何で!?」



 マスラはカザトのご子息に対し驚きの声を上げた。


「ご子息小さいですよ!?何でですか!?」

 マスラは慌ててカザトに質問をする。


「んな!?」

 カザトはそんなマスラの質問を理解して硬直する。

 更なる恥ずかしさが込み上げてきたのだ。



「ねぇ?何で!?」

 マスラは必死な表情で今度はエミリに聞いた。


「し、知らないですよ!彼等は皆そうなんじゃないんです?っというかセクハラですよ!!」

 そう言いながらちゃっかし見ているエミリ。


「え…え?」

 マスラが困惑していると、


「個体によって大きさの差は出てくるでしょう。気にせず作業を進める事を提案いたします」

 と、ルーイが言った。


「え?あ、そ、そうだね。…そんじゃエイクック。頼む」


「はい」


「~~~~~~っ!!」

 もうカザトは恥ずかしさと屈辱て涙を流していた。


スッ。


「!?」


 カザトは自分の息子に何かが入ってきた事を感じる。


 その正体はエイクックの指先から伸びる細い糸がカザトの息子に進入している感覚であった。


「んっ、ひっ!」

 必死に体をよじって逃れようとしたが、それは出来ない。


「ひっひっひっ」

 奥の方まで入ってくる感覚が分かり、次に、


「ひっひっ…ひぎゃぁあああああああああああああああ!!!!」

 急激な痛みがカザトの子息に連なる二つの球体から感じる。


「ぎやぁぁあああああ!!やめろぉぉぉぉぉおおおお!!いてぇえええええええ!!!!!!!!」

 最初は子息と球体をつなぐ管から痛みを感じた。


 よじれるような痛みである。


 引きちぎられるのでないかという感覚だ。


 それが両箇所からいっぺんに来た。


 カザトの額には脂汗が溜まり、目は血走る。


「うぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!????ふんぎぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいい!!!!!」


 管が広がる感覚。それがとてつもなく痛い。


 奥へ…どんどん奥へ。


 そうカザトは感じ取る。実際には確かに奥へとエイクックの指はゆっくりと進んでいるのだが、カザトの感覚ではかなりのスピードである。


 苦痛である。地獄である。

 奥へと進む度に痛みを感じる箇所が広がっていく。


 そして、次に―――。



「あぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!ひてーーーーーーーーーーーーーーーーーひてぇよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!」


 球体だ。


 管と一緒で、大切なところが膨れ上がるような感覚。


 球体全体に満遍なく進入していくエイクックの指。


 新鮮なご子息が作り出す生命の神秘を求めているため、より深く、より先へとエイクックは指を入れていく。


 かき乱され、わざと細かく揺れているようであり、その度に刺激が来る。


 エイクックもこれは苦しめる為にやっているわけではなく、調査のためにやっている行為だ。


 ご子息のご子息を球体内部でそのまま解析をしている為にカザトのご子息内部で動いているのだ。その動きがカザトを苦しめる痛みへと変換されている。という訳だ。



「しぬぅぅぅぅぅぅぅううううう!!!しんじゃうぅぅぅぅぅぅうううううううう!!!もう止めてぇぇぇぇぇええええええ!!!」


 カザトは必死に訴えた。

 だが、


「大丈夫大丈夫、死にはしません。だって、死なないようにするために特別なお薬流し込んだんですもの。あ、そうだ気絶や気が狂ったりもできませんよ?ちゃ~んとそこら辺は考えているんですから」

 エッヘン、と自信満々な表情でそう言ったマスラ。


 そのマスラの表情を見てカザトは愕然とした。。

「いやぁあぁっぁぁぁぁぁっぁぁああああっあっぁあああぁぁ!?!!??!?」

 死ぬ事も意識を手放す事も出来ないと知ったカザトは絶望を感じたのだ。

 いっそ気を狂わせたい。そう思っても無駄なのだ。


 この痛みは目の前の人物が飽きない限り続けられるのだと…。






「マスラ様、結果が出ました」

 すると、エイクックから希望のお知らせが届いた。




「おや?で、結果は?」

 マスラがそう聞くと、



フルフル。

 エイクックは悲しみの表情を顔を浮かばせながら首を振った。



「え…」

 途端にマスラの表情は曇り、カザトの方を向いて、


「非常に残念ですが、カザト君のご子息から作り出されるご子息やご息女…あまり出来がよろしくないようです…」

 と、残念そうに言った。


「うがあああああああああぁぁぁっぁああああああ!!?」

 カザト君はそれど頃ではない。


「これはお相手にご期待するしかありませんね!!」

 マスラが元気出せよといわんばかりにカザトにそう言った。


「ぐぎぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!」


「いや~、そうと決まれば安心ですね。いいお相手見つかるといいですね、うひひひひ!あ、安心したら笑いが出てきてしまいました。さ~て、皆さんもご一緒に!」


「うひひひひひひ」

「「うはははははは」」

「ぎやぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!」


「なんなの?この状況…」

 笑っているのはマスラとルーイ、エイクックのみである。

 いや、ルーイとエイクックの笑いには感情が込もっていない。

 その証拠にルーイはピタッと笑いを止めると、

「しかし、確か既にナカガワ・ヒジリの中に出来ていたような…」

 と、言うと、マスラはハッと気付き、


「あぁぁ。なんということでしょう。どっちも出来が悪いので、ゴミが出来るのは確実じゃないですかぁああああ!!」

 と、マスラは心底残念そうに言った。動きが大げさで嘘っぽい。


「いつまでこの茶番続けるつもりなのよ!!」

 エミリは耐え切れなくなり怒鳴った。

 エミリはいつまでもギャーギャーと声を上げるカザトにうんざりしていた。いい加減うるさい、と。


「え?あぁ、そうですね。もう一通り調べたからいっかぁ~。エイクック君。もういいよ」

 マスラがそう言うと、


「はい」

 と、エイクックは返事をしてかなりの早さでカザトのご子息に進入している自身の指を引き抜く。


「うぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 その痛みもカザトにとっては発狂ものだ。

 だが、優秀なエイクックはご子息の中を少しも傷つけていない。子供には優しいようだ。二つの意味で。いや、三つかな?


「ふぅむ…。さて、それでは動けるようにしてあげましょう」

 マスラはそう言うと、カザトの首に再び、


プスッ。


 と、指で注射をした。


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