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調合64

靴工房や婦人服工房を巻き込んでの会合では、加工調合ガタパの撥水性と防寒性という特徴を活かした新製品を出せないか? という話で進められた。


「素材の特徴をよく研究した上で、にはなるけど、話からすると、次の冬に向けての製品だね。ブーツ類の素材としては期待できそうだ。ただ、あまりスマートな感じにはならないよね。」

「撥水性と防寒性といわれたら、やはりコート類になるのかしら。でも、問題は、繊維素材との相性。あと、色。ガタパって、青色でしょ。冬向きじゃありませんのよね。暖色系の色に染められるのかしら?」


ファッション系の工房だと、やはり、難しいのかもしれない。


「機能重視、作業着や作業靴としての需要はないのでしょうか?」

「作業着や作業靴?」

「濡れない、寒くならない、を前面に出して、水辺や寒冷地で仕事をする人向けに商品化できないかな? と思ったのですが。もちろん、見た目はどうでもいいとは思ってませんけど……。」

「そういうのは、確かに一定の需要が見込めますけれど……。」

「今回、御相談したのは、とにかく、ガタパライムの討伐の手助けをしてくれる人を集めたいからなんです。ガタパに使い道があれば、今よりは、興味を示してくれる人が増えると思うので。」


2人にも、例の話をしてもよいのだろうか? いずれは、ギルドを通じて大々的に、討伐の引き受け手募集が行われることになるだろうけど……。


「ちょっと前に、ギルドから、そこそこ手広くやってる工房に、ガタパの新しい使い道がないか相談が出されたろ。2人のところにも話がいってるはずだが?」

ドルファーが助け舟を出してくれるようだ。


「まぁ、うちは金属細工が主だから、あんまり協力できそうもないかな、と最初は考えてたんだ。ただ、一応、義理はあるからな。試作用に貰ってきてはいたんだ。」

「ガタパって、金属とは勝手が違うもの。専門外です。で良かったのではありませんの?」

「慌てるなって。で、直接、ガタパを削ったり、切ったりは無理だけどよ、金属で型を作って、そいつでガタパを形成する方法ならいけるって分かったんだ。」

「ガタパを型で形成する?」


先ほどまでと違って、ちょっと興味が引けた様子。あと、もう一押しできれば……。


「型に加工調合ガタパを押し込んで、加熱することで、形をつくることができるので、いくつも同じものを作ることが可能です。作業靴や作業着ならば、むしろ同じものを数揃える方がいいのではないでしょうか?」

「靴だったらさ、たとえば、靴底の部分だけガタパで作るっていう手もあるぜ。」

「そうだ。濡れないエプロンなんかは、水を使う作業の時だけ上に羽織って使うっていうことで、洗浄工程がある作業をする工房でも、需要が見込めるんじゃない?」

「シャルロッテさんから、私たちが既存の商品に手を出すと、あちらこちらに迷惑がかかると聞いたんです。だったら、靴の専門家、衣服の専門家に使っていただける材料として、ガタパの使い道を提案したいんです。」

「ギルドにも、顔が立つだろ。」


サバドとカリンカの2人は、一応、考えてみると言ってくれた。

私は、いまだに、日本にいた時、何の仕事をしていたのか思い出せないが、きっと、プレゼンは担当していなかったと思う。

毎回、無茶苦茶だ。

でも、秘書って、本来、プレゼンはやらないよね。



「お2人は、どの程度ご存じなんですか? まだ全部は話せないですよね。」

新しく加工調合ガタパプロジェクトに加わってもらうことになった2人が帰った後、私はドルファーに尋ねた。


「具体的なことは何にも。解毒水のあたりの話も、ピンときてるふうじゃなかったろ。他言無用だからな。まぁ、どのみち、ギルドの方には王城の方から状況説明があるだろうし、そうなれば、ガタパの話は職人やってる者にとっちゃあ、他人事じゃなくなるからな。」

「どういうことですか?」

「今は、ギルドからの依頼だが、正式な通達があれば、国からの命令に等しくなるってことさ。ギルドとそこに連なる商工業者は、一定量のガタパを売りさばけっていう……。」

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