7.答え合わせとこれからのこと
誤字連絡ありがとうございます(><)
訂正いたしました。
混乱しきりの私を他所に、父と、クリストフ様のお父様はとても楽しそうに話をしていた。
「いや〜、色々申し訳ありませんでした」
「いやいや、我が家の方こそ!でもこれで安泰ですねぇ」
「ははははは」
「ははははは」
(お父様ったら、笑ってないで私に説明してくださらないかしら…!?)
お父様をにらみ呆れることしかできなかった私に、クリストフ様がそっと近づいて声をかけてきた。
「エマ、ごめんね。少し、二人で話をしない?」
「…は、い」
クリストフ様の声かけに応じ、二人でそっと応接室を出て、盛り上がったを出て、二人でバルコニーの東屋へ向かった。
ここなら、二人きりで、静かで話せると思ったからだ。
外へ出ると、空気は少しひんやりとしており、混乱した心を少し落ち着かせてくれた。
終始考え込んだ様子のクリストフ様だったが、覚悟が決まったのか、いつものやさしげな笑顔を浮かべながら、申し訳なさそうな声色で事の端末を話してくれた。
「まずは、ごめんね。…何度か言おうと思ってたんだけど、タイミングがなくて」
「…私の婚約者は、クリストフ様だった、ということ…ですか?」
「うん、そうなるかな」
恐る恐る訪ねたその言葉に、クリストフ様は小さく頷いた。
「…びっくりした?」
「びっくり、というか…いえ、、やっぱり嘘では!?だって、クリストフ様、昨日、親密そうに女性とお話されてましたよね!」
「昨日……?」
少し考える様子を見せたクリストフ様だったが、なにかを納得して、少し苦笑いしながら教えてくれた。
「だから昨日、急に元気がなくなったのかな?アクセサリー屋さんの前でのことなら、あれは友人の婚約者なんだ。今度結婚するって話を、たまたま聞いてただけだよ」
「う、嘘…」
「残念なことに、嘘じゃないんだよね」
「じゃあ、あの、家を買ったっていうのも…」
「もちろんエマと住むようの家だけど…」
「あぁ、そういうことか。まさか、恋人がいるって勘違いさせちゃうとは…全部タイミングが最悪だったんだな」
(…勝手に勘違いして恥ずかしすぎる!!!)
私の顔は、きっと顔から火が吹き出そうなほど赤いだろう。
クリストフ様からの話はこうだった。
私が13、クリストフ様が20のときに、私とクリストフ様の婚約が決まっていたとのこと。
しかも──
「僕が申し込んたんだ。エマと結婚させてほしいって」
「え!?だっ、て、その頃の私って、まだ…」
「うん、13歳だったね」
あの頃、13歳の私は、まだ婚約や結婚ことをいまいちわかっていなかった。
だから、私が大きくなって、ちゃんとその意図を理解するまで言わないでほしいと。
そして、相手が自分であることも秘密にしてあげてほしいと。
可能な限り自由を残してあげて、私に好きな人ができた場合は、そちらを優先するように、と、婚約の申込時に、お父様に伝えてくれていたそうなのだった。
「そんなこと、クリストフ様に、メリットがないじゃないですか…」
「別に、メリットなんていらないよ。…エマの人生を、僕のわがままで縛りたくなかったんだ」
「…どうして、私と婚約しようと思ったんですか?自分で言うのもあれですが、私は結構子供っぽいですし、ましてや7つも離れているのに…」
クリストフ様は少し気まずそうに笑った。
「君の兄にも散々言われたよ。『7個も下の君を好きなのはおかしいだろ!』ってね」
兄の発言が用意に想像でき、今度は私が気まずくなる。
「でも、恋に理由なんていらないと思わない?
「何が、とかは僕もわからないけど…ずっと、好きだったんだ」
切なそうな表情のクリストフ様に、私までどこか切ない気持ちが押し寄せてきた。
私が婚約者を聞かずに意地を張っていること、
私が──クリストフ様のことを好きなことも、薄々と気付いていたそうだ。
お互いがお互いを想って秘密を抱え込んでいた結果、答えは目の前にあったのに、とてもすれ違ってしまっていたらしい。
(だから昨日、お兄様もクリストフ様も、なんだか妙な反応だったのね)
どちらかというと、私だけが秘密にされていたような気もするが…秘密にしたいと思ったのは自分だから、やっぱり私は子供なのだろう。
「…7歳下の君を小さい頃から好きだなんて、気持ち悪い?」
「え!?」
クリストフ様からの予想外の言葉に思わず大きな声を上げ、顔を見る。
その顔は、いつものやさしげな表情とはまた違った、珍しく、少し不安そうなお顔をしていた。
「まさか!」
「まさか…びっくりはしましたけど…クリストフ様が気持ち悪いなんてことないです!」
本当に嘘は言っていない。びっくりはしたけど、気持ち悪いなんてことはない。
その気持ちが伝わるように、全力で首を降った。
「それなら良かった」
私の様子に少しホッとした表情を見せたクリストフ様は、懐から、可愛いラッピングに包まれた箱を取り出した。
「それ、は…」
「あ、ごめんね。指輪とかではないんだけどね」
開かれた箱から見えた何かの光は、昨日、夜のお買い物で見た、あの輝きと同じものだった。
「…これ!昨日の」
そう、私が彼に無理やり押し付けた、イヤリングだった。
「昨日、なんでエマが急にあんなことを言って馬車を降りたのか、ずっと考えてたんだけど。勘違いさせちゃってたんだもんね」
「…いえ、私こそ早とちりで、すみません」
クリストフ様は、優しく笑いながら私の髪をそっとすくい上げた。
「…っ」
髪の中から現れた耳元に優しく手を触れ、そっとイヤリングをつけてくれる。
「うん。やっぱりこれは、エマに似合ってるね」
そう言って笑うクリストフ様の腕には、見覚えのあるデザインのカフスがキラキラと輝いていた。
「対のデザイン、なんでしょ?」
コクコクと頷くことしかできない私を見て、クリストフ様は小さく呼吸をする。
「今まで、秘密ばかりでごめんね。…僕は、君が思ってるよりも情けないし、あんまり、かっこよくもないよ」
「それでも…それでもまだ、僕のことを好きでいてくれるなら──改めて、言わせてほしい」
「僕と、結婚してください」
あぁ、マリーには戻ってから謝ろう。
きっとまた目は腫れてるし、化粧も崩れてしまっているかも。
お父様には一言文句を言いたいし、お兄様なんて1ヶ月は無視してやろうかと思う。
だってきっと、私がクリストフ様のことを好きなこと、知ってたもの。
それでも、向かいで笑ってくれるクリストフ様がかっこよくて。
やっぱりこの人が世界で一番素敵な人だと思うから。
すべてを言葉では表せられないけど、少しでも私の気持ちが伝わるように、お返事の代わりにクリストフ様の胸へ飛び込んだ。
「当たり前です!クリストフ様、大好きです!」
───────────
「そういえば、18歳のお誕生日おめでとう」
「はっ、すっかり忘れてました…!!」
ここまでで本編終了です!
書きたい内容を詰めたので楽しかったです( * ॑꒳ ॑*)
載せられる的に、裏話やアナザーストーリーをちょこちょこ更新できたらなと思ってます。(一度完結にしますが…)
読んでいただきありがとうございました!
また、次の作品を載せていきます(^^)
──────
よろしければ、新しく連載していきます
「家出した侯爵令嬢は、今日も定時で帰りたい」
も、覗いていただけると嬉しいです!
よろしくお願いします(^^)




