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第五話「"Perfectio"」(中編)

果たして、予感は的中した


Argentumは現在は地べたに伏し、ひゅうひゅうと儚い呼吸を繰り返して居る

彼があと何瞬くらい生きて居られるか、僕程の者にすら解らなかった



『完全者』が右手の人差し指で、指揮棒の様に空を切る


寸分違わぬ軌道で、破壊的な斬撃が空中に幾つも走り、Argentumの躰を引き裂く

今や、彼の躰はされるがままで在り、風に遊ばれる枯れ葉のように舞っては墜ちる事を繰り返すだけだった


当然の結果のうちの一つとしてArgentumの鞄が裂け、中に在った石板が地面に墜ちる

先刻は視る事が出来なかった、続きの文言には『───愛する者を守れ』と記されて居た



「視るな………」


服もあちこちが裂け

出血と裂傷で、躰の何処が何処なのかすら解らない姿になりながらも

Argentumは僕に読まれぬよう、隠す様に石板に覆い被さった



「視ないでくれ………」




「…………お願いだ」


声に、涙が含まれて居る

僕は近寄ると、彼を抱きかかえた


既に全身が、生命を喪って氷のようだった



「君達は」


「本当に『啓示』が、この様な安易な形で得られるものだと思って居たのかな?」


完全者は、最早その犠牲者には眼もくれて居ない

人を殺した事すら覚えて居ない様な様子で、彼は僕を視た



「───『総て自分が仕組んだ』と、言いたいのか?」


僕が答えると完全者は再び屈託の無い、気分の悪くなる笑いで返した



「理解が早くて助かるねえ」



篭手の霊魂との同期状態を最大化しながら、僕は身構えた


当然、戦いを挑む為である




完全者の眼が、笑うのを止めた


かちり、とコインが落ちるような音と共に

篭手に何かが入り込んだ



僕はそれが何なのか識って居る


『ありがとう、Argentum』

篭手と接続され、もう言葉も話せず意識すら残って居ないであろう霊魂に、僕は心の中で感謝を告げた



「お前は───」


「私に、勝てると思って居るのか?」





「ブッ殺せると思って居るよ」


篭手に力が集まり始めた

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