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ノワール・ルージュ2  新大陸編  作者: 花屋敷


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第26話


 モレスビーの街を出たノワール・ルージュとボルケーノの7名。敵が固まっていないのがわかっているので一緒に行動をしている。途中でBクラスの魔獣が出たときはボルケーノが鍛錬を兼ねて倒していた。


「マリアンヌ、今のはよかったんじゃないかな。でももっと早く動けるはずだ」


「ジャン、もっとどっしり構えないとジャスミンが動き難いぜ。ナイトは敵にあわせて動き回るんじゃない」


 今も草原で会ったBクラスを倒すとダンとデイブから今の戦闘についてアドバイスが飛ぶ。ボルケーノにしても桁違いの2人から教えて貰えるチャンスだと2人のアドバイスを真剣に聞いていた。


 草原の岩場の陰で野営の準備をして夕食を取っている時に、


「変な癖がついちまってるからそれから直さないとな」


 と戦闘時の立ち位置を指摘されたジャンが言う。


「でも今日の最後の方はどっしり構えていてくれたから私もフォローがしやすかったわよ」


 僧侶のジャスミンは戦闘になるとほとんどジャンのフォローになる。ナイトと僧侶のコンビが安定してからはボルケーノの殲滅が随分と安定してきた。もちろんマリアンヌとブルーの戦闘能力のアップもそれに寄与しているが。


「ブルーは一撃で倒そうと思うから振りが大きくなりがちだ。回数を増やすことを考えた方がいい。こちらの攻撃が当たれば必ず敵はダメージを受けるからな」


「なるほど。大きく振りかぶって外すくらいなら何度も確実に当ててダメージを与え続ける方がいいって訳か」


「そうだ。攻撃には連続性がないとだめだ。だから確実に早く何度も敵に打ち込む練習をするんだ。攻撃した後すぐに次の攻撃ができる様にしないと」


 ブルーの言葉にデイブが答える。隣でマリアンヌも頷いている。


「でも流石にAクラスだ。少しアドバイスするだけですぐにそれを吸収して自分のモノにするのは大したもんだよ」


「そうだな。モレスビーの街を出た頃に比べると格段によくなっている。今なら普通にAクラスも倒せるな」


 デイブに続いてダンが言うとボルケーノのメンバーの表情が明るくなる。


「ダンの言う通りだ。今ならAクラス1体なら問題なく倒せるだろう。それくらいに皆実力がついてきている。あとは気持ちだな。相手がAだろうがBだろうが敵を倒すという点においては同じだ。強い気持ちを持ち続けて戦闘すればいいと思う」



 途中で鍛錬をしながら草原を歩いた1週間後の昼過ぎに7人の目の前にリサラの都市の城壁が見えてきた。


「モレスビーと同じくらい?」


 歩きながら前方の城壁を見ているデイブが言った。


「国境から近い4都市はどれもだいたい同じ様な規模だよ」


「冒険者の数も4都市ともそう変わらないわ」


 ジャンとマリアンヌの話を聞きながら城門にある冒険者の専用の門を通って市内に入る。そうしてそのままリサラのギルドを見つけるとそのまま中に入っていった。


 ボルケーノはどこでも有名だ。彼らがギルドに入るとそこにいた冒険者達から声が掛かる。そして5人に続いて入ってきた赤と黒のローブ姿の2人組みを見つけると一瞬の沈黙のあとに彼らが誰かを思い出した様な表情になる。


「おい、あいつらって」


「ああ。ボルケーノが一緒に行動しているってここのギルマスが言っていたな」


「聞いている話だともっといかつい男達だと思っていたが」


 酒場の方ではここリサラの冒険者達がそんな話をしていた。そんな中受付でギルドマスターとの面談を申し込んだ一行はすぐに会議室に通されたかと思うと1人の男性が部屋に入ってきた。


「このリサラのギルマスをしているマクビーだ。ボルケーノの連中は久しぶりだな」


 そう言ってから2人に顔を向けて


「君らがノワール・ルージュだな。話は聞いている。リサラの街にようこそ」


 そう言って2人と握手をして全員が会議室の椅子に座った。


「王都とモレスビーのギルドからは連絡が来ている。それにしても人間に化けていた魔人を見つけ出して倒すとは大したものだ」


 マクビーは部屋に入ってすぐにノワール・ルージュの2人を観察する。2人ともローブを着ていて外見は普通の体型で落ち着いている様に見えるが2人から出ているオーラが半端ないのをすぐに感じ取った。


 隙がない。2人とも落ち着いているた雰囲気が完全に強者のそれだ。これなら魔人を弱いと言い切ったのもわかる話だ、そしてこの国でここまで強者のオーラを発している冒険者はいない。


「知っていると思うけど俺とダンは別の大陸からここに来ている。そして前にいた大陸のダンジョンの下層には魔人がいて何体も倒した経験がある。だからあいつらの気配は2人ともわかるんだよ」


「なるほど。そうだとしても魔人にお前は弱いと言える奴はいないぞ」


「実際に弱かったからな。俺達が知っているダンジョンにいた魔人はもっと高ランクの奴らばかりだった。腕を切り落としただけでベラベラとしゃべる奴なんて所詮雑魚だよ」


 ダンが言うとマクビーは顔をダンに向けた。このダンが実際に魔人の腕を切り落としてお前は弱いと言ったという報告は全ギルドに回っている。なるほど、そう言い切るだけの雰囲気を持っている。デイブも相当だがこうやってみるとダンはその上だな。


「わかった。ところでモレスビーとラエの要塞から北方面はどうだった?」


「それについては私から報告するわ」


 そう言ってマリアンヌがギルマスに報告していく。


「500体?」


 途中でそんな声を出しながらも最後まで報告を聞いたマクビー。マリアンヌの話を聞き終えると2人に顔を向けて


「いくらお前さん達から見て雑魚と言い切れるBクラスやAクラスばかりだとしてもだ、それでも500体という数は相当多いぞ?」


「500体と言っても俺達の周りに近づいてくるのは10体ちょっとだろ?近づいてくる奴らを片っ端から倒していけばよい話でね。数は関係ないな」


「なるほど。それでその拠点にいたAランクから奴らの川のこちら側の拠点についての情報を得たってことか」


 2人が頷くとボルケーノのメンバーが持っている自家製の地図を広げて説明をしていく。これから西の拠点を落として、最後にこの中央部にある橋の近くの要塞を落としそこに軍と冒険者を常駐させる。


 聞いていたギルマス。説明が終わると、


「悪くないな。となるとここから西のセロスから北上してそこにある拠点を叩きに行くんだな」

 

 そうなるなというデイブ。マリアンヌが後を続ける。


「西の拠点を落としたら。まぁノワール・ルージュだから落とすんでしょうけど。そうしたらモレスビー、リサラ、そしてパールとセロスから何名かを集めてからノワール・ルージュと一緒に最後の要塞を目指す予定。もちろん戦闘はこの2人よ。要塞を落としたらすぐにその拠点を確保する人材が必要なの」


 マリアンヌの言葉に頷くマクビー。


「わかった。お前さん達が戻ってくるまでにこちらで人選をしておこう。それと同時にモレスビーからだけじゃなくここからも王都に使者を送って王都ギルド経由で軍にも話をしておく。その方が確実だろうし幾らかでも本職の兵士が来てくれれば助かるしな」



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