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神父-1

講師であるゴルドウルフが行う【野良犬剣法】

その概要は、誇り高く勝つのではなく凡ゆる手段を用いて勝つものだ。今日も屋外実習で冒険者達とシャルルンロットは汗を流していた。


『はぁはぁ、次ぃ!』

『シャルルンロットさん、今日はこれでお終いです』

『っぷはぁ!疲れたぁ〜』

『ご苦労様です。皆さん冷えたお飲物を用意してありますので、どうぞ飲んでください。私は道具を片して来ます』


瓶の中から柄杓を使い、それぞれが持つコップに注ぎ入れていく。


『ぷはっ!生き返るわ。で、あんた誰よ?』

『神父です〜』

『いや、神父なのは見ればわかるわ。どこの誰て聞いてるの!』


そう、いつもはこの役割はプリムラなのだ。しかし今日は見ず知らずの青年がその役割をしていた。問題のプリムラはと言うと、おしぼりを使い冒険者達の顔を懸命に拭いていた。


『そんなぁ、シャルルンロットさんも僕のこと知らないふりですか?僕、悲しいです。くすんくすん』

『なんだか、どっかで聞いたことある言い方ね』

『えぇ⁈シャルルンロットさんも知らない方なんですか?』


プリムラの話によると、いつものように瓶を台車に乗せここに来る際に偶然会ったと言う。零しそうな瓶を支えてここまで一緒に運んだそうだ。神父の姿で自分を知っている優しい人物だから危険はないと思い連れて来たのだ。そしてどこか、近しい者に感じた。

『そんなぁ、みんなして僕のこと知らないふりするなんて…悲しすぎます!ほら、よく見てください、フェンリルですよ!ママによく似てるって言われてます』


うーむ、と近くにいた冒険者達も考え出した。背丈は170ぐらい、中肉中背で線のように細い目を持ち整った顔つき。そして、銀と水色の混じった髪の毛を持つ青年。一度見たら10人中10人が振り返るイケメン顔である。


『フェンリルさんは何処から来たのですか?』


その時、背後から道具を片し終わったゴルドウルフがやって来た。


『あ、パパ!酷いんですよ。みんな僕のこと知らないて言うんです。僕、悲しい。くすんくすん』


ビキィ!と亀裂が入った音が聞こえた気がした。ゴルドウルフのことをパパと呼んだ。つまり…?


『ちょっと待ちなさい!ゴルドウルフ、あんたいつのまにこんな子をこさえたの⁉︎』

『そ、そんな…おじ様が私の知らない人と…コウノトリさんを召還…』

『うわぁ!プリムラ様が泡を吹いて倒れた!』

『いえ、私はそういった経験はないのですが…』



と、周りの冒険者達は驚いた。まさか自分と歳の近いおっさんが未経験…心の中でそっと敬礼した。


〜to be continued〜

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