ハリボテの剣と仔犬の剣-2
ここで従業員を紹介しよう。
ゼロの息子たち、【長男・叩きのバーニング】【次男・整形のメタル】【三男・火を起こしのフィーゴ】【長女・銘入れのサツキ】
その他・子分 だ
長男に図案を見せる。
『こいつぁ、叩いて強度を出さないとあぶねぇな』→次男に周す
『兄者の言う通り整形の時にある程度、形を作らないと難しい』→三男に周す
『ひゅ〜、しかも子供が使うなら薄くて軽くなきゃだみゃだな〜』→長女に周す
『きゃ〜所々にゴルドくんを配置?可愛いぃ〜』→子分に渡す
『コイツァ、やり甲斐のある仕事でさぁ!』
『で、ですね。出来ますでしょうか?』
『おいおい、ゴルドウルフさん。俺らを舐めてもらっちゃぁ困る。先ずは試作で創るからそれを品定めしてくれ。お前さんがいいならその出来で納める』
工房を稼働させ再び作業に戻る。そして遂に出来た。
試作品1号【ゴルドくんの剣】
持ち手は、手に馴染みやすいしなやかな木材を採用し、ゴルドくんの焼印が押されている。鞘には今までの無垢のものではなく、焼きごてで書かれた羽が舞っている。刀身は女性や子供が持っても、振りやすいように重心を少々ずらして作られた。全て手作業でなくては出来ない技だ。特に刀身の重心を変えるなんて芸当は、手練れの職人でなくては出来ない。
『どうかな?』
『素晴らしい出来です。ではこれを、納期はこのぐらいで』
『あいよ!』
ちょうどその時、サクラが馬車を引いてやってきた。お山を抱え、沢山のお弁当をこさえた女性を乗せて〜
さて、両者の剣が出来上がり世の中に広がり始めた。最初はゴージャスマートが優勢だったが、あるパステル親子と騎士の活躍によりスラムドッグマートが追い上げて来た。
『何故だ⁉︎なんで野良犬の店の商品が売れるんだ⁈』
工房『華豪』にてミクノは荒れていた。普段の余裕を見せるゆったりとした話し方ではない。自身が創り出した武器が、無名の職人が創った武器に敗けたのだ。これでは創勇者の地位が下がる可能性がある。だから荒れていたのだ。
『工房長、野良犬の店の商品を持ってきました』
『見せてみろ』
じっくりとみる。
『刀身の材料は普通のものだなぁ。柄も普通のよりも柔らかい木材だが、これも普通…なのに何故売れるんだ⁈』
それは作り方の違いだ。華豪では大量生産のために、一枚板の材料から武器の形にくり抜きそれをからくり仕掛けのハンマーで叩く。その後、焼入れをし回転する砥石で研ぎ完成だ。これでは脆く重心もバラバラで、当たり外れが多く大変扱いにくい。対する零戦は、材料から鍛えながら形にし、鍛える際もその時に応じた加減をし叩く。これにより、全ての製品の重心が均一かされ、更に粘り強い武器になる。武器は硬すぎてもダメで粘り強さも必要だ。簡単に言えば、華豪の武器は茹でる前の乾燥麺でポッキリ折れる、零戦は少し芯の残るアルデンテで折れそうだが折れず…だ。手間の差がここに出るのだ。
更に従業員の結束力も物を言う。上だけで話して下に押し付ければ…現場を知らない者の作れるものはたかが知れている。形だけの武器が出来る。零戦は、全員で話し合い工夫する事により顧客が求めた武器が出来る。
ミクノは何時気がつくか?恐らく気が付いた時は、自分の工房が傾いた時だろう。
〜END〜




