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エルナとの再会

リリスの猛攻をカイが必死に受け止めている間に、リクは静かに手をかざしていた。


(エルナを助ける……この場を抜けるには、“囮”がいる──)


リクの指先に、淡い光が灯る。


■ 創造スキル:《シャドウ・ミラージュ》


──「自身の分身」を作り出す。

本体の意識を切り離して行動できる、完全なデコイ。


蒼い光が凝縮し、リクと同じ姿をした分身が立ち上がった。


「行け──俺の影!」


リクの声と共に、分身がリリスに向かって駆けだす。


その気配は本物と見紛うほどリアルだ。 リリスもわずかに目を細めた。


「また、トリック……!」


分身リクがリリスの前で剣を抜き、猛然と斬りかかる!


リリスは即座に手錠を操り、分身を縛ろうとする。


(──今だ!!)


本物のリクはその間に、影に紛れてすばやく側面へと回り込んだ。


カイが吠える。


「リク、任せた!!こっちは俺が止める!!」


リクはカイに一瞬だけ視線を送ると、すぐに戦場を抜け出す。


(待ってろ、エルナ──今、助けに行くからな!!)



飛行艇の奥深く、エルナは拘束されたまま、魔力封印結界に囚われていた。


心細げに、膝を抱えて震えている。


そのとき——


「エルナ!」


聞き慣れた声が、闇を裂いた。


目を見開くエルナ。


そこに飛び込んできたのは、必死に走るリクの姿だった。


「リク……っ!」


涙ぐみそうになりながら、エルナは声を震わせる。


リクは迷わず駆け寄り、封印の結界を解析する。


(急がなきゃ……リリスが気づく前に!)


リクは右手を結界に当て、再びスキルを紡ぐ。


■ 創造スキル:《コード・ディスアーム》


──異なる規格の魔法式を解析・無効化する、対魔封印破壊スキル。


青白い光が閃き、結界が音もなく霧散した。


エルナの手錠も外れ、自由になる。


「エルナ、立てるか!?」


リクが差し伸べた手を、エルナは小さな手で強く握った。


「……うん!!」


ふたりの心が、再び強く繋がる。



だが──飛行艇全体に警報が鳴り響く。


リリスたちに、リクの動きが察知された!


飛行艇内部に、新たな敵影が殺到してくる!!


リクはエルナの手を握ったまま、決意を込めて叫んだ。


「絶対に、守る……!!

ここから一緒に、脱出するんだ!!」


「……今のままじゃ、また迷惑をかけるだけかも……」


その声を聞いたリクは、静かに一歩踏み出した。


「なら、変わればいい。君自身の意志で、今ここで」


そう言うと、彼の手から光が溢れた。


■ 創造スキル:《コード・ギフト:アーク・レゾナンス》


生まれたのは、白銀と蒼光が織り交ざる、美しい弓だった。


「これは“共鳴する弓”。使い手の感情に応じて、放つ矢が効果を変える。

いまの君には、“弱体化”の力が最も合っていると思った。命中すれば、相手の魔力を乱し、動きを鈍らせる」


エルナは、手を伸ばすのを一瞬ためらった。だが、リクのまっすぐな視線に押され、そっと弓を取った。


「それと――この弓には、もう一つ“切り札”がある。

でも、それは……今の君にはまだ、重すぎる」


「……?」


「“ルミナ・エクリプス”。君の強い想いを矢に変え、敵を貫く必殺技。

だが一度使えば、魔力はすべて消耗し、数日は戦えなくなる。

今は……まだ撃つ時じゃない。準備が整った時だけ、選べばいい」


その言葉に、エルナは目を見開き、ゆっくりうなずいた。


「……うん。ありがとう、リク」


直後、警報が鳴り響く。


敵兵の小隊が接近してきていた。


「来たな……!」


リクが武器を構え、カイが背後を固める。


エルナも、震える指で弓を引く。


「……行ける。今のわたしでも、きっと……!」


魔力の矢が放たれる。


■ 効果:《スキル封印》《反応鈍化》


命中した敵兵が苦しげに叫ぶ。


「な、なんだ……体が……思うように動かねぇ……!」


リクとカイがその隙を突き、前線を一気に押し上げる。


エルナの表情が、わずかに強さを帯びていた。


だが――まだ“ルミナ・エクリプス”を使うことはない。


その力は、彼女の覚悟が定まるまで、封印されたまま。



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