悪魔の力
黒翼を大きく広げたリリスは、漆黒の魔力を凝縮し始めた。
彼女の両手の間に、重力すら引きずり込むような「暗黒の球体」が現れる。
(これは……ただの魔法じゃない!)
リクが直感する。
これは、ただの攻撃魔法ではない。
「世界そのものの法則」に干渉するクラスの、破滅的な一撃だ。
リリスが、宣告するように囁いた。
「見届けなさい、子供たち。
これが……絶望を具現する呪い。」
■ 必殺魔法発動:《虚無穿ち(エクリプス・ブレイカー)》
──空間そのものをえぐり、すべての存在を押し潰す絶対破壊魔法。
黒い球体が、まるで生き物のように脈打ち、周囲の大気を引きちぎっていく。
カイが身構えるが、肌に当たる空気の密度すら異常だ。
「くそっ……!! 避けられるか、これ!?」
リリスは、ゆっくりと手を振り下ろした。
ドオオオオオォォォン!!
黒い球体から、全方位に衝撃波が炸裂!
リクとカイは必死に飛び退くが、間に合わない!
ゴッ!!!
リクの腹に衝撃波が直撃し、地面に叩きつけられる。
カイも右腕に亀裂が走り、咄嗟に受け流したものの吹き飛ばされた。
(強すぎる……!)
リクは血を吐きながらも、立ち上がろうとする。
しかし《虚無穿ち》は単なる一撃ではない。
一度放たれた後も、周囲に"虚無の空間"を残し、触れたものを削り続ける。
リクたちは、動くだけで体力を削られていく。
リリスは、冷たく言い放った。
「もう、終わりにしましょう?」
彼女の黒い翼が再びはためくたび、さらに虚無の空間が広がっていく。
(このままじゃ……勝てない!!)
リクとカイは、必死に互いをかばいながら、攻撃をかわし続けた。
が、リリスの魔力はまったく衰えない。
「さぁ……跪きなさい。私に、永遠に抗えないと、知りなさい。」
絶望的な魔力の中、リクたちは再び追い詰められていく——!
◆
しかし、リクは諦めなかった。
(何か、何かあるはずだ……!
リリスの《黒の契約》。
あれだけの力を使えば、どこかに……必ず“隙”がある!)




