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2度目の突撃

焚き火の灯りの中、リクとカイは肩を並べて座っていた。


森の静寂を破ったのは、リクの提案だった。


「……カイ。

お前自身にスキルはない。だけど──“スキルを込めた武器”なら、使えるかもしれない」


「……スキルを、込める?」


カイが怪訝そうに眉をひそめた。


リクはうなずく。


「俺の創造スキルなら、魔力の中に《起動式》を組み込んだ武器を創れる。

それを、持ち主が振るうことで、スキルを一時的に発動できるんだ」


カイは目を見開いた。


「そんなことできるのか……!」


「試してみるしかない」


リクは膝に置いた手をぐっと握った。


「ただし──俺の作る《スキルウェポン》は“使い手の意志”を引き出す構造だ。

覚悟がなきゃ、動かない」


「……」


カイは短く息を吐いたあと、拳を握りしめた。


「やる。

このままじゃ、エルナも、お前も……誰も救えねぇ!」


リクは微笑んだ。


「よし──じゃあ、始めるぞ」



リクは地面に素材を並べた。

黒鉄石、霊銀の欠片、竜牙樹の樹皮。


魔力を指先に集中し、スキルを発動する。


■ スキル発動:《スキル・エンチャントクラフト》


──物質にスキル構造式を織り込み、起動型アイテムを創造する。


素材が光に包まれ、リクの手の中で形を変えていく。


──カイのために。

──カイが戦えるために。


その願いを込めて、リクは創った。


やがて、リクの手の中に、一振りの剣が現れた。


全体は深い蒼黒色。

刃の中心に、淡く光る紋章が刻まれている。


「……完成だ」


リクは静かに言った。


「この剣には、重力魔法グラビティ・シフトを仕込んである。

振るえば、重力場を局所的にねじ曲げられる。……カイ、お前の腕力と組み合わせれば、破壊力は相当だ」


カイは、震える手で剣を受け取った。


重くも、軽くもない。

だが、掌に馴染む確かな感触。


「これが……俺の……」


リクがにやりと笑った。


「試してみろ」


カイは頷き、立ち上がった。


剣を振りかざし、一気に振り下ろす。


──ズゥンッ!!!


地面が、局所的に凹んだ。


重力場が一点に集中し、岩を押し潰したのだ。


「……っ!」


カイは自分の手を見つめた。


確かに、今、自分の手で“スキル”が発動した。


リクが言う。


「これで、戦える」


カイは強く頷いた。


「リク……恩に着る。

絶対、エルナを取り戻そうぜ」


リクもまた、静かに拳を握った。


「──ああ。

今度は、負けない」


二人の誓いが、夜空に響いた。


そして、新たな反撃の夜明けが、静かに始まろうとしていた。

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