新たなスキルのヒントを求めて…!
夜明け前。
森を切り裂くように、冷たい風が吹き荒れる。
リクたち三人は、新たなスキルのヒントを求め、谷を越えた先に広がる遺跡跡地へと辿り着いていた。
そこには天然の石柱群がそびえ、複雑な地形を作り出している。
カイが剣を構え、周囲を警戒する。
「……感じる。
ただの敵じゃねぇ。こいつは、殺気だ」
エルナも、青ざめた顔で頷く。
「来る……!」
瞬間、空間が“割れた”。
バキィン! と鋭い音とともに、異形の二人組が現れる。
■ オーダ直属戦闘部隊《断罪の姉妹》
──長姉:破壊特化型。腕力とスキル《グラヴィ・ブレイカー》で空間を歪める。
──次姉:加速特化型。スキル《ライトニング・ステップ》で不可視の高速移動。
リュシアは巨大な鉄槌を軽々と肩に担ぎ、ミゼットは細身のナイフを手の中でくるくる回していた。
リュシアがにやりと笑う。
「おいおい、子供じゃねぇか。
マジでこんなガキが“オリジン”だってのか?」
ミゼットも嗤う。
「まあいいわ。命令は“回収”と“排除”。
コードごと、ぶっ壊してやる」
──次の瞬間、戦闘が始まった。
◆ カイvsリュシア
「お前、オレが相手だ!」
カイが先に動いた。
リュシアの鉄槌をかわし、地を滑るように間合いを詰め、剣を突き出す。
ガンッ!!
衝撃音。
カイの剣が、リュシアの鉄槌と激突した。
「ぬるいぜ、坊主ッ!」
リュシアがグラヴィ・ブレイカーを起動する。
周囲の重力が一瞬で歪み、カイの動きが鈍る!
「くっ……!」
それでもカイは、意地で剣を振りぬく。
リュシアもそれを真正面から受け止めた。
二人は、互角だった。
力と技が激しくぶつかり合う。
◆ リク&エルナvsミゼット
一方、リクとエルナの前にはミゼットが現れる。
「おっと、こっちは二人がかり? いいねぇ、楽しいじゃん」
ミゼットがかすかに微笑んだ次の瞬間──!
彼女の姿が消えた。
「速い!」
リクが咄嗟に叫ぶ。
けれど、エルナの《リンク・インサイト》が発動していた。
「リク、右から来る!」
リクは即座に反応し、足元の石を素材に《スキル生成:ガード・バリア》を作成!
防御壁が展開され、ミゼットの刃をぎりぎり防ぐ。
しかし──
「防いでも無駄だよ?」
ミゼットがニヤリと笑い、壁の裏に回り込む!
リクは素材の小石を手に取り、《武器作成:ストーンナイフ》を発動!
【ストーンナイフ】
──素材:石
──属性:堅牢、鋭利化
──一時強化付与可
小さな石が、瞬時に白刃へと変わる。
リクは即座に投げた。
シュッ!
だがミゼットは超反応でかわし、逆に懐に飛び込んできた。
「遅いっ!」
──その刹那。
「リク、伏せて!」
エルナの叫び。
リクは身を伏せる。
その頭上を、ミゼットの刃が掠めた。
「……やるじゃん、感情使いの嬢ちゃん」
ミゼットが楽しげに笑った。
エルナの額には、汗がにじんでいる。
(今の私じゃ、予知も完璧じゃない……)
(でも、二人を守る。必ず──!)
◆ チームワークの反撃
リクはカイに叫ぶ。
「カイ! 一瞬だけでいい、あいつの動きを止められるか!?」
カイが剣を振り払いながら答える。
「できる! お前らも合わせろ!」
リクとエルナはうなずいた。
次の瞬間──
リクが《スキル生成:グラヴィ・ピン》を発動!
【グラヴィ・ピン】
──素材を圧縮し、重力を付与して着弾地点に引力場を作る小型弾。
それをミゼットの足元に向けて投擲する!
ズンッ!!!
地面が一瞬、彼女の足を捕らえた。
「ちっ!」
そこをカイが狙う!
剣を閃かせ、リュシアを一撃後退させ、その瞬間のスキをついてミゼットに飛び込む!
「喰らえッ!」
──衝撃。
カイの剣がミゼットの脇をかすめ、彼女は舌打ちして後退した。
「……やるじゃん」
ミゼットの笑みが消えた。
リュシアも鉄槌を肩に戻し、不機嫌そうに呟く。
「チッ、こんなガキどもに……」
ミゼットが静かに呟いた。
「予定変更。“本気”で行こうか、姉さん」
リュシアがにやりと笑う。
「いいぜ。じゃあ、ゲームはここまでだ」
──その瞬間、空気が変わった。
姉妹は、最初とは桁違いの、殺意の波動を放ち始めた。




