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役割分担

「確かに結界はすぐ再生する。でも、僅かに隙が出来るわ。間断ない攻撃で四つの結界を連続突破、そして、超火力の攻撃で五つ目の結界を破壊するのよ」


「なんじゃ、作戦というから、何かと思えば、要するに力攻め、無理攻めではないか」

 アイラが言う。


「否定はしないわよ。でも、ニ人で一つの結界の突破を担当すれば、負担も少なくなるし、結界も大きく壊せるわ」


「簡単に言ってくれるの。少しでもタイミングが合わなければ、上手くいかんぞ」


「問題ありませんよ」と香が言う。


「おぬしは根拠のないことを……」


「じゃあ、やめますか?」


「ぬかせ、儂の足を引っ張るなよ、香」


「あなたもですよ、アイラ」


 香とアイラは笑った。


 リスネさんは苦笑し、「みんなはどうする?」と聞く。

 否定する者はいなかった。


「決まりね。じゃあ、突破する結界を割り当てるわよ。最後から二つ目の結界はアイラさんとフィールレイさんに任せるわ」


「なんじゃ。儂らが最後ではないのか? 儂ら以上の火力がある攻撃など……」


「あるわ」とリスネさんは乗ってきた航空船に視線を移した。


「ヒューベリアに主砲を撃ってもらうわ」


「あの船にはそんなものがあるのか。ならば、儂は自分の持ち場を全うしようかの」


 アイラが承諾し、フィールレイは頷いた。


「結界は内側へ行くほど強くなるわ、内側から三番目は香さんとディアスさん。四番目は私とローラン。五番目はシャルロッテ様とリザちゃんに任せるわ」


「なんで、私が一番外なんだ?」


 リザは不満そうだった。


「私の眼は誤魔化せないわよ。リザちゃんは相当、消耗しているでしょ」


「……分かった」とリザは仕方なく承諾する。


『待て』


 その決定にリントブルムが口を出す。


『あのデカブツは我だけの攻撃では完全に破壊できん。リザは主と共に来てくれないか。リザがいれば、今まで以上の大技を出せる』


 今まで以上の大技だって?

 俺はそんなものを知らない。

 

 そもそも、今のリントブルムの姿だって本来は存在しない。

 カードが成長するなんて、ミストローンのアニメの主人公みたいだ。


「えっと、分かった。でも、そうすると編成を組み直す必要が……」


 リスネさんがリザの穴をどうやって補おうか、と考えていると

「その役、私にやらせてくれないかしら?」

 パトラティアが声を上げた。


「えっとあなたは?」


「パトラティアと言います」


「パトラティア…………! もしかして、女王パトラティア……様!?」


「もう退位したわ。今はハヤテの仲間よ。あなた方のことはハヤテの話やリンクで知っているわ。パトラティアと気軽に呼んでくださる」


 それを聞いたリスネさんが溜息をつく。


「ナターシャさんとフィールレイさんをリンクしているんだと思ったけれど、今度は女王をハーレムに加えたのね」


「ハーレムじゃなくて、仲間ね!」


「ふーん、リンクが切れた私たちなんて捨てて、新しい女を作っていたんですね」


 あー、香さんのその殺気のこもった声、久々に聞いたな……

 冷汗が止まらない!


「ハヤテ、どの刀にしますか?」


 香は自分の刀をちょんちょんと指差した。


 どれも嫌だ!

 てか、一本増えているし……


「相変わらずのヤンデレだな。ところでなんで刀が増えてる?」


 リザもそれに気付いた。


「あれか、三本目を口にくわえて三刀流をするのか?」


「しませんよ! そんなことしたら、歯が砕けます」


 香は即否定してした。


 それはちょっと残念だ。

 三刀流、見てみたかった。


「話が逸れたわね。パトラティアさん、あなた、戦えるの?」


「多少ですけど、出来ます。だから、お願いします」


 パトラティアが本当に戦力になるか把握をしていないリスネさんは即答しなかった。


「俺も混ぜてくれないか?」


 その声はライアンさんだった。


「あなたは?」


「王描人族の族長、ライアンだ。戦いには多少の自信があるつもりだ。俺も戦わせてくれ」


「こやつは中々強いぞ。それにパトラティアもじゃ」とアイラが言った。


 リスネさんが笑う。


「なら、信用が出来るわね。だったら、最初の結界はパトラティアさんとライアンさんに任せるわ。シャルロッテ様は私と一緒に二つ目の結界を破壊するわよ」


 作戦は決まった。


「リザ、行こう」

「分かった!」


 俺とリザはリントブルムに乗った。


「みんな、結界は頼んだよ」


「任せて」とみんなが口々に言う。


 リントブルムが飛翔し、俺とリザはアンペンダープの上空に到達した。


「ハヤテ……」


 リザは俺の服をギュッと掴んだ。


「本当に怖かった。ハヤテがいなくなったと思った」


「ごめんな」


 リザの頭を優しく撫でた。


「正直、今も少し怖い。本当に勝てるのか、って心配になってる」


「俺一人じゃ無理だ。でもリザがいる。みんなが来てくれた。この仲間とやるんだ。絶対に勝つよ」


 絶対、という言葉はあまり好きじゃない。

 でも、リザの前では格好をつけたかった。


 これがアンペンダープとの最終決戦だ。


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