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復活

 世界が真っ暗になって、息がしづらい。

 何が起きた?


 ……ああ、そうか、俺は食われたのか。


 また生きているのは丸飲みにされたからだろうか……


 体中が痛い。

 何か所の骨が折れたか分からない。


 俺はこの後どうなるんだろう?


 窒息死か。

 圧迫死か。

 それともこのまま徐々に死んでいくのか。


 走馬灯、というほど速くはないが、今までのことを思い出す。


 もしかしたら、これで良かったのかもしれない。

 この世界に現れた俺と魔王という二人の転生者。


 その片方が消滅した時点で、この世界のことはこの世界の人達に任せる。

 それが自然かもしれない。


 だけど、蛇人族の人たちには申し訳しない。

 俺が停戦なんて望まなければ、こんなことにはならなかっただろう。


 たくさんの人が死んだら、後世で俺は非難されるのだろうか?


 いや、俺だけが非難されるなら別にいい。

 リザやアイラたちは大丈夫だろうか?


 考えてもしょうがない。

 それになんだか、眠くなってきた。


 前に死んだ時は即死だったが、今回はゆっくりと死ぬようだ。


 意識が遠くなる。



 その時、俺の頭にリザたちの声がした。



 幻にしてはリアルすぎる。


 俺と一緒に死のうとするリザ。

 うまく声を出せないナターシャ。


 それにアイラとナターシャはアンペンダープと交戦しようとしている。


 そうか、リンクをしているせいで俺がまだ生きていると分かったんだ。

 だけど、無謀だ。


 俺はもうすぐ死ぬし、アイラとフィールレイとだって、アンペンダープには勝てない。

 完全な無駄死にだ。


 前に死んだ時、女神にその事実を突きつけられたのに冷静だったのはあの時、世界チャンピオンになって、やりきっていたからかもしれない。


 でも、もし今死んで、また女神に会ったら、俺はこの世界に戻してくれと懇願するだろう。


 それだけ大切な仲間が出来た。

 ここまで生きたいと思ったことはないかもしれない。


「死んでたまるか……!」


 またリザに会いたい。

 俺が馬鹿だったと謝りたい。


 アイラ、ナターシャ、みんなにも会いたい。


 死んでいる場合じゃない!


 でも、情けないことに俺には何もできない。


「やっぱり俺は英雄じゃないな」


 だから、英雄が言っちゃいけないことを言う。


「助けてくれ、リザ……」


 召喚盤が今までにないほど強く光った。


「なんだ……!?」


 俺は召喚盤の山札の一番上のカードを引いた。


「!?」


 俺はカードを見て、驚き、笑い、そして泣いた。


「俺をまた助けてくれ。――――リザをリンクする!」

  

 復活したリザのカードには変化があった。


 青炎のハーフエルフ リザ・ユーエル・フォーティス

 レベル⑦属性(炎) キーパーソン

『深い絆が究極竜に新たな力を与える』



 リザと繋がるのは久々の感覚だ。

 それに以前より鮮明にリザと繋がった気がする。


 リザの方も俺とリンクした瞬間、全てを察したようで泣き出していた。


 それを見ると本当に申し訳ないと思った。

 キーパーソンなんてカード、ミストローンにはなかった。

 なんでこうなったか分からない。だけど今は……


「これで条件は揃った。今度こそ、リントブルムを召喚!」


 俺が再びリントブルムを召喚盤にセットした時、リントブルムのカードが青い炎を帯びる。


「な、なんだ!?」


 それは一瞬で消えたが、リントブルムのカードも変化していた。


 究極青炎竜リントブルム

 レベル⑩属性(風・炎) 召喚コスト5000+キーパーソン

 攻撃力???? 体力5000

『究極竜はリザと共鳴し、さらなる力を得る』


 カードに書かれたリントブルムは本来の姿ではなかった。

 体中に炎を帯びている。


『久しぶりだな、主。こんなところすぐに出るぞ』


 リントブルムの懐かしい声がした。


 リントブルムはアンペンダープの体内を破壊し、召喚される。


『乗れるか?』


 俺は「ああ」と言い、リントブルムの背中の棘に摑まった。

 その瞬間、激痛が走る。

 

 どうやら右腕が折れているらしい。

 だけど、痛がっているわけにはいかない。


『大丈夫か?』


「問題ない。リンドブルム、任せても良いか?」


『当然だ』


 不思議だ。

 この炎は熱くない。

 それどころか、温かくて優しい。


 リザが傍にいてくれる気になる。


「リントブルム、結界があるんだ!」


 俺と違って、リントブルムには結界が反応する。


『こんなもの問題ない』


 リントブルムがブレスを吐くと一番内側の結界が壊れた。

 すると連動しているように他の四つの結界も破壊される。


 どういうことだ?

 いや、そんなことはどうだって良い。


「リントブルム、決着をつけるぞ。『アブソリュートストリーム』!」


 アンペンダープの頭上に飛翔したリントブルムが最大火力の攻撃をぶつける。


 体内から破壊され、動きを止めていたアンペンダープはその攻撃の直撃を受けた。


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