59 幽玄幼女
Zzz・・・ガサっ
眼を開けるとゴブランと目が合った。
とりあえず全力で小石を投げといた。
ニャムルは気づいていたがお腹いっぱいで興味が湧かなかったようだ。こやつめ。
「さてと、、、」
ナイフの空色水月を腰に佩いて都市トロイに向かう。鞘に穴が空きそうだったが、鞘にも魔素を充填したら濃藍色になりナイフに合うようになった。今後気づいた時にナイフともども魔素を充填するようにしよう。脇差くらいの長さは欲しい。脇佩?
ふわふわ、、、
適当にゴブランを倒しながら帰るか。
くぅちゃんの試し斬りもしたいし。
ニャムルが空気を敏感に察知してオレの頭に登ってくる。自分で走った方が早いだろうに。なんともわがままな火の女王なことよ。
__________
空色水月はマジ半端ない切れ味だ。熱したナイフでバターを切るかのようだ。熱したナイフでバターを切ったことないけど。
とはいえ、その切れ味の維持に魔素を使うらしく、切ってくうちに普通の元のナイフに戻っていくようだ。オレの皮膚の魔素もニヴォーが低いからか潤沢にあるわけではない。
「こういうの、もったいなくて使えないアイテムに似てるな」
エリクサー的なアレだ。
まあ、レベルを上げて物理で殴るのが一番強い世界ではなさそうだし、、、ニャムルはあくびをしてる。可愛いけど、火の玉出してサポートしてよ・・・。
街が遠くに見えてきた。領主の城が一番初めに姿を現す。なんとも癪である。
ぷかぷか、、、
、、、。
「はてさて、、、」
放置してきたが、この浮いている非実在少女をどうするか考えなきゃな。ほっときゃどっかいくだろと思ってたら難なくオレのスピードについてきやがる。場所を察知されてるな、なんか魔法的なアレで。
幼女を観察する。
8歳くらいだろうか。少女?幼少女?
憎いほど艶ある髪の毛をしている。
孟宗竹の深みある緑だ。
恐ろしいほどの端正な顔立ちだ、神懸かっている。。。子供はむしろその不均整によって可愛さを獲得するが、こいつはそれを捨象した存在だ。
眺めていると怖くなってくる。
今は寝ているようだが、、、ん、、、まぶたがピクピクしてんぞ!
多少身構える。基本ビビリなんす。
流石のニャムルも耳を立てる。
「ふあぁ、、、もふ着いたかの?われとわぬしとの棲むところぢや」
エメラルドグリーンの瞳。
輝いているものの、冷たく妖しい宝石の色だ。




