↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/67

56 黒い森のダンジョン攻略 5



「でっかいな、、、」


オレの双眸(そうぼう)には、おさまりきらないほどの巨木が映し出されている。

マダガスカル島に生えるバオバブの木のようだ。ひときわ大きなはずのこの部屋がなぜか今までの部屋より小さく見える。


枝を動かしているようだが、巨大すぎてその動きは緩慢に見える。枝の先っぽは存外速い。当たると痛そうだ。まあこの身体だとそんなに痛くはないだろうけど、気持ちの問題って何事もあるよね。


根元まで来ると視界一面に木の(みき)が広がる。根っこもうねうね(うごめ)いている。

拾った棍棒(こんぼう)でちょいと殴ってみる。べこん。ちょっと表面が剥がれたぞ。倒せるんか。


(いや、、、これは・・・)


それまでとは明らかに違う尋常ではない速度で木の表面が修復されていく。ちぎられた繊維がまるで独立した虫の一種であるかのように波打(なみう)ち、片方と結びつきあい、樹皮を再度形成していく・・・。木の外樹皮の部分ってこんなふうになるっけ?まるで魔法(・・)のような。。。


いくつかの枝がしなり、オレを叩きのめそうと落ちてくる。当たってあげてもいいけど、しゅるんと避ける。避けるのは簡単だ。しかし、何回か叩いてみたが、ちょっと剥がれ落ちるだけですぐさま治っていく。なんという生命力。


しかし、なかなか詰んでいる。日本刀で一刀両断できたら楽なんだが、それはフィクションの中の話だけだ。ここは現実であり、そうはうまくいかない。しかもいま手に持っているのはひろった棍棒だ。相性は最悪である。まあそんじょそこらのナイフではたちどころに折れてしまいそうだ。チェンソーだって繊維の方向を(あやま)つとうまく切れずに暴れるらしい。


とはいえ、この棍棒で殴ってても永遠に終わりが来なさそうだ。道中、なぜか落ちていたパンとトレントを倒して得られたフルーツがまだいくつかあるが、永遠に尽きない壺の粉や、無くならない瓶の油なんかがあるわけない。()れない(ように見える)泉くらいはあるかもしれないが。


≪アタマガ・・・イタイ・・≫


唐突にナイフをリュックの奥底にしまい込んでいたことを思い出した。いや、ナイフなんて役立たないとついさっき結論付けたじゃないか。試しに切ってみたいのか?


理性ではそう考えつつも、オレはこの小さなナイフの(さや)を抜き、握ることを止められなかった。


綺麗な鈍色(にびいろ)だ・・・。光沢も美しい。

すると、うっすらと刀身が青に色めきだした!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。