51 不思議なダンジョン
「ここにも渦があるのか、、、」
確かに洗足池とキノコさんダンジョンを結ぶだけの渦しか無いと考えるのは合理性に欠けることだ。他にもあるはずだと考えるほうが合理的な疑いというものだろう。
( もしかしてこれに飛び込むと地球の別の地域、国とかに行けんのか?あるいは、宇宙空間に投げ出される・・・?いや、それだと洗足池にあった理由がないか、宇宙はそれだけ広大だし、木星の渦は地球数個分もあるんだし。でもなんで地球だったんだ? )
考えても答えが出ないものには沈黙せよと山小屋に引きこもったヴィトゲンシュタインは言っていた。綺麗な街の建物にしかいない研究者には言えない箴言だ。
これは into, or not into の選択しかない、黙ったまま飛び込むか、黙って突っ立ったままかしかできない問題なのだ。
そしてそうした行動はこれまでの自分を捨て去る行為なのだ、どちらであっても。ハムレットは復讐を誓い狂人になったが、復讐をしようがしまいが自らの死の運命を感じ取っていた。復讐したら新たな恨みから殺され、復讐をやめたら今までの自分を殺すこととなり、どちらでも同じことであったのだ。
そしてオレは渦に飛び込んだ。
コレにはいつも飛び込んでいる、夢を見ながら死にながら。
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気がついたらうつ伏せ状態で寝っ転がっていた。
死んで天国にでも行ったのか? いや、オレは悪いことは特段していないが、もう天国には行けない気がする。
地面はある、、、若干光沢があって、土なのか石なのか人工物なのかよくわからない。感触は柔らかいのに、掘ろうとするとやけに固い。キノコさんのいるダンジョンに似ている気がする。
ん、、、よく見ると手にはめてたグローブが無い!服は着たままだ、、、リュックもある、、、あ!中身が無くなっている!貴重なソイジョイが!キノコさんの肉片が!
全部ないのか、、、ショックだな、、、いや、何か残ってるぞ。これは、、、パンか?パンはパンでも食べられるパンだ。大きめなサイズでこれ一つでそこそこお腹いっぱいになりそうだ。
「くそー、、、ここはどこなんだ?渦も無くなってるし、、、帰れんのか?」
この空間は10m四方の部屋のようだ。通路っぽい大きめな穴が二つ見える。天井はなかなか高くて7mくらいある。
とりあえず進んでみるか。
右手の通路を進んでみる。
新しい部屋に出た。誰もいない。
床に棍棒っぽいものが落ちているぞ。




