40 唐突に始まるテンプレ 2
「ヒラーはそもそも入市許可状も知り合いもなしにどうして都市の中に入れると思ったんだい? もしかして考えにも及ばなかったのかい?」
「 (こいつ、、、) それはお金とか払えば入れるものなんじゃないのか?(それすら持ってないが笑 )」
「ヒラーはなんて面白い冗談を言うんだろう!お金を払えば入り放題なんて害意のある人やスパイを呼び込んでいるようなものじゃないか! そもそも壁の中の土地は有限なんだ。領主が細かく管理して制限しないとね。住民の知り合いなら何かあればその住民の責任となって追い出すことができるという寸法さ。そうでなくても無許可で入ってくる輩が多くてスラムを形成、、、おっと、あそこに見えるのが都市トロイだよ」
エミールの指差す方向を見ると、三メートル程度の壁が見えてきた。ところどころ円柱型の堡塁や側防塔が組み込まれている。材質はレンガと石材の混合のようだ。小塔、狭間や銃眼のようなものも窺える。いわゆるカーテンウォールというやつか、、、。カーテンの先には城のようなものも見える。2000〜3000人くらいは住めそうな広さだ。
オレは目の前の文明の証明に酩酊感を味わった。現実的なことが非現実に感じられて・・・。
「なかなか大きそうなところだな」
東京圏は3700万人いるけど。
「トロイは他国との境目ではないし、中継地点って感じだから中堅都市といったところだね。モンスターもあまり強くないから高い壁を築く必要もない。被害にあうのはせいぜい逃げ遅れた壁外の農民くらいだからね」
門周りは堀状の空間があり、その上の小さな橋を渡って門の前に着く。門番は物憂げにエミールの書類を確認している。
許可は無事に下りた。ヒラーという名前が登録されたようだ。偽名のやうな本名のような。まあいいか。現地民の名前として不自然じゃないっぽいし。
「さてと、、、我々が住むことになる僕の家を案内する前にギルドに行こうか。僕が先ほど採集した薬草類も提出したいしね」
「 (オレ、こいつと住まなきゃいけないの!?) と、、ギルドってまさか、、?」
「ギルドも知らないのかい?まるで誰も住んでいないところから来たようだね。ギルドに貢献できるから壁内に住めるようなものだよ。職人や商人、ギルドメンバーでなければ外で農民になるしかないんだから」
「そこでは採集した薬草やモンスターの素材なんかを買い取ってくれるのか?」
「その通りさ。もしかして知ってた? さっきも言った通り、僕は植物学の知識が少々あるからね。薬草を見分けるのはお手の物さ」
「オレもそのギルドメンバーになれるのか?」
「普通は能力を示してギルドメンバーになることを条件に入市許可状を発行してもらうのだけど、、、僕の仲間という位置付けなら問題ないんじゃないかな」
「くそ、、、まあ致し方ない。お前の仲間になってやろう」
「なんだか上から目線だね。でも僕は優しいからね、君がわざとそういう態度で人の気を引きたいとしても気にしないよ」
すると、恐ろしげなモンスターの図柄の看板が見えてくる。どうやらここのようだ。木の扉を開けて中に入った。
・・・どうやら新人に絡む先輩はいないようだ。建物内には20人ほどいるが、屈強な男が多い。誰もが一度こちらを見て興味なさげに元の話に戻る。エミールのせいか?
「まず僕の採ってきたものを納品するね」
カウンターにエミールは向かい、受付のおっさんから幾ばくかの硬貨を受け取ったようだ。残念ながら美人受付嬢は少なくとも現時点ではいないようだ。
「ギシェさん、今日は仲間の登録もお願いするよ」
「おう、わかった。じゃあこの水晶に手を当ててくれ」
するとギシェと呼ばれたおっさんはおもむろに透明な水晶玉をカウンターに出した。
手を上に置く。
すると、水晶内に米粒程度の二つの光の玉が見えた。
「すげえ、、、魔法みたいだ」
「ヒラーも変なこと言うね。それにしても二つか、、、」
光が二つだとなにかあるんだろうか?
勇者の証とかかなあ。
「ニヴォー2なんですか!?あの強さで???」
唐突に鳴り響く鈴鳴り声。まさかコイツは、、、
振り向くとジャンヌがいた。




