37 ビジネスにはストックよりフローが大事
重厚なビルには多くの人が出入りしている。
入り口の受付に嘉玲の居場所を聞いてみる。
「社長ですか?失礼ですが、アポイントメントはお持ちでしょうか、、、?」
「いや、嘉玲に呼ばれてきたんだけど、、」
「承知いたしました。少々確認いたしますね」
少し電話でやりとりした受付嬢はカードキーをオレに渡して24階の最上階に向かうように指示をする。
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「いらっしゃい、わざわざご足労かけて悪いわね」
「いや、それはいいんだが、、、このビルはなんなんだ?」
「入り口の字を見なかったの?私たちの会社の自社ビルよ」
嘉玲は簡単に説明してくれた。
事業はとんでもなく順調で、レストラン業だけでなく、フランチャイズ、調味料卸、加工食品、生産事業等々人の口に入るものに関わるおよそ全ての分野に事業展開を図っているそうだ。
ほんの少しキノコさんのカケラを入れるだけで効果を発揮するのだからなんでもし放題だ。100%自然由来の成分・・・だし、たぶん。
畑にまいても効果があるとか。
「そんなに、、、もっと仕入れる必要があるのか?」
「あればもちろん嬉しいけれど、乾燥すれば栄養素が向上することが分かってそこから出汁をとれば十分な量は取れるわ。少しで良いのよ。入れすぎるとむしろ秘密がばれやすくなるわ」
「まあまた仕入れに行くよ、気が向いた時に」
「それでいいわ。最近はどう?元気に過ごしてる?」
ニャムルがやってきて窓を割りやがった話をしたら、猫を見にウチに来たいと嘉玲は言い出した。
いつアパートにニャムルが来るかわからないからここに連れてこようか?と提案したらそうじゃないと言う。
秘書がそわそわしだしたので、そろそろと思い適当に切り上げてビルを出た。やっぱ自然の中の方が近代的なビルより落ち着く気がする。
あのキノコの森は本当に手付かずの森という感じで景色が素晴らしいのだ、人間のポケットには入らない。
ニャムルは夜遅くになって戻ってきた。なんだか誇らしげだ。何をしていたんだろうか。
肉片から作ったキノコジャーキーを与えて寝ることにする。
もう3日4日したら、キノコを仕入れつつ、ダンジョンの奥に行こう。都市トロイだっけか。
色々考えたが、あそこは地球ではない・・・。あんな風景もモンスターも都市も今の地球には少なくとも存在していない。地上は全てヒトの手垢がすでについてしまっている。
オレは夢でも見ているのだろうか。
ダンジョンの奥の森でみた無限の星空が目に焼き付いて離れない。




