31 唐突に始まるテンプレ
目を凝らすと遠くまではっきり見える。
とはいえ、そのこと自体は現象の把握には役立つが理解にはなんら役立たない。
馬車周りは混迷を極めていた。
一台の豪奢な馬車を守るように騎士の風貌をした男たち、一部女性たちが取り囲んでいるものの、それに対して身なりの小汚くてみすぼらしい怪しい風体の男たちがさらに大きな円周にて取り囲んでいる。
総勢両者合わせて40名ばかしだろうか。
そこまでは良い。
ちらほらとそれに混ざる緑色の醜悪な風采の二本足で立っている動物が見える。手には棍棒を握っている。一定の知能はあるようだが。。。
その緑色のやつらが入り乱れて、騎士だろうが賊だろうがおかまいなしに殴りかかっている。ある意味平等主義だ。
こうした三つ巴、三コウ、というより混迷と表現せざるを得ないが、奇妙な膠着状態に陥っており、どの陣営もじわじわとしか減らない。
気づいたら近くまで来ていた。
「・・・・・・」
とりあえずボケ〜と見学することにした。
・・・。
「おい!そこのお前!こいつらを倒すのを手伝え!」
そう言われましても、、、。
「強盗かなにかですか?あとその緑色の気持ち悪い奴ら、なんですか?」
騎士然としたその男に問うてみた。
「見ればわかるだろう!!盗賊にモンスターだ!!早くしろ!」
まだ余裕そうだなと思いつつ、せっかくなので親切にも助けてやることにした。
出来るだけ優しく賊とモンスターを吹っ飛ばしてやる。吹っ飛ばされんうちに逃げなかったこいつらが悪い。
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瞬く間に事態は収束した。騎士の風貌をしたやつら以外は寝っ転がってる。良い天気だからね。
立ってるやつらもなぜか口をあんぐりと開けて唖然としている。
「素手で、、、こんなに素早く、、、、相当のniveau、、視界に映らなかった、、」
??? 一部なぜか聞き取れなかったぞ。煮干し買いに移らなかった???
「協力感謝する。あんたも人が悪いな、これほど強いならすぐに助けてくれれば良いものの」
「いや、、、ちょっと初めてで面食らっててな」
「ん?初めて?ああ、この馬車のことか」
瀟洒な馬車は入念に板張りされており中は窺い知れない。
その時、ことりと馬車から音が鳴った気がした。
見るとドアが次第にゆっくりと開いていき、中から月の女神のように艶麗とした美女が姿を現した。あたりの空気が急速に張り詰めていく!!!
そう、この出会いこそが全てのーーーするとその美女は急に頭を出入り口の上部にごっつんことぶつけた。今度は盛大な音が綺麗に鳴った。あたりの空気は急速に緩んでいく。。。
さすがのオレも唖然とせざるを得ない。




