26 肉+油+塩=モンゴル料理
マヌルネコは威嚇するばかりで、少しも懐こうとしない。まるで日本兵みたいなやつだな。
そんな時こそにゃんぱらり、取り出したるは魔法の粉。振りかけ見れば、たちまちごろつきにゃんにゃんの出来上がり。
マヌルネコは興奮してドラゴンズゲイト作成の100%キノコさん粉末調味料 ( 非売品 ) がまぶされたオレの手を舐めあげている。
「フハハハハハッ!」
声を荒げても1人。と1匹。
( 名前は・・・そうだな。ニャムルにしよう )
ニャムルは物欲しそうにこちらを見ている。
しょうがない奴め。
求めよ、さらば与えられん。
オレはさんざんモフモフにゃんにゃんした後、リュックに入れてたキノコさん肉片天然物を1枚ニャムルの傍らに置いた。
一口食べたニャムルは二メートルぐらい飛び上がってにゃんぱらりと落ちてきた。
意識を失っているみたいだが、幸せそうな顔だ。
オレはニャムルを丁寧に持ち上げて毛皮を堪能しつつ車両の残骸の陰に肉片の余りとともに横たわらせた。
さらば、ニャムルよ。永遠に。
絶滅が危惧された種だからね。連れて帰れないんだ。
少しだけ目から雨を降らして、ニャムルとさよならバイバイした。
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ノモンハンから直接韓国にいったほうが早いんじゃね?と思ったが、三十八度線を越えられる自信がなかったので、ウランバートルになんやかんや戻ってきた。
ホテルで軽くシャワーを浴びたのち ( 乾燥してるから一週間くらいお風呂は入らない習慣の筈だ )、腹ごしらえに街に繰り出すことにした。
ウランバートルとは赤い英雄という意だ。
赤旗とは関係ない。昔からウランバートルだった。
なお、内モンゴル自治区の首都呼和浩特 はモンゴル語で青い都市という意だ。フフホトでは99%のヒトが中国語を喋るのに。
ボーズ ( 包子 ) や ホーショール ( 火焼 ) を食べる。 羊の肉汁と油が詰まっていて旨い。これを極寒の冬に食べてシミンアルヒやウォッカを飲むと最高なんだが、今の夏の始まりの季節でも十分美味い。
ペゴパなオレは様々な店のボーズとホーショールを食べ歩き、ホルホグ、締めのツォイワン、食後のミルクティーを飲む。
安いウォッカを飲むと死ぬからやめておいた方が良い。東欧産のビールにしときなさい。
宿の女将に適当に別れを告げてチンギスハーン国際空港に向かう。
道すがら、ふと頰を伝うものがある。
雨だ。
晴れた空から心地よい雨が地上に降りてきていた。




