24 見上げる空だけが美しい
「・・・とりあえず入れ」
爺さんはそういって返事も待たずに石造りの小屋に戻る。屋根は所々歪んでおり、雨の侵入をしっかりは防げそうにない。
「あざーす、、、」
継ぐ二の句もないオレは続いて小屋に入らざるを得なかった。
山羊と鶏は気にせず何かを食んでいる。
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「とりあえず今茶を淹れるから待っていろ」
剥き出しの土の上に簡素な木のテーブルと椅子がある。奥には火の元があるようだ。枯葉と木々が積み果ててある。
部屋の隅には家畜が寝ているのか、わらが積んであった。
小さな三脚の生えた鍋から冷めたお湯をさらに小さな鍋にて取り出す。草のようなものを入れた。
無骨な陶器のコップに草ごと注ぎ入れる。
「どうも、、、」
これはとても野性味あふれるハーブティーだ。苦い。身体には良いのかもしれないが・・・。
「どこの出身だ?」
「、、、ここから遠い国から来ました。大きな池があるところです」
「知らねぇな、、まあ俺はこの地域以外に足を運んだことはないが。何か食べ物は持っているのか?」
「持ってません。森などで食べられるものを拾ったりしていました」
「そうか、、、」
爺さんは先の尖った落ち葉掻きから手を離して、ランプに火をつけた。
痩せ細り、白髪で覆われてはいるが、思ったより若そうだ。50代ほどであろうか・・・。
「変な服をお前は着ているが( 唐突にディスられるオレのセンス )、収税官吏ではなさそうだ。見た目からしてこの国の出身ではなさそうだしな」
そういうと爺さんは小屋の奥に引っ込み、炒った大麦を持ってきた。
「これしかないが、、、腹減ってるだろう。見たところまだ子供だ ( もう27歳なんだが )。食べておけ」
「ありがとうございます、、、」
口に含むが焦げた味で美味しくはない。無理に飲み込んだ。
「すまんな、、。この時期収税官吏がもう徴収を済ませたくせにがめつく何度もやってくるんだ。それこそ根こそぎだ。この時期は収穫の季節とも呼ばれるが、俺たちにとってはそうじゃない。ここの作物は大体夏前には収穫される。秋はだな、官吏にとっての収獲なんだよ。冬に貴族どもとパーティーを楽しむ用のな。孫たちは人売りに売らざるを得ない。むしろ買ってくれる人売りは優しいやつらなんだ」
・・・。
「俺はこうしてまだ働けるがいつまでかはわからない。動けなくなればどうすればいいのか。税が払えない。つまりこの土地が没収されるだけだ。子らに継がせつつ、俺は勝手に野垂れ死ぬ必要があるんだ」
オレは何も言えなかった。
夕日は沈もうとしていた。
懐に忍ばせていた嘉玲謹製の調味料は何の役にも立ちそうにない。。。




