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大宮伸一は桜カレンにフラグされた。  作者: 海堂ユンイッヒ
206/212

【e6m60】かへし

やっと書き上げました。これからエピソードの最後まで毎日投稿できます。

 大宮伸一は桜カレンにフラグされた。

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「……?」

 気がつくと、俺は休み時間の教室に立っていた。わけがわからない。メモを持っている。“先輩と絶対に蕎麦を食べに行くな。既読イベントはスキップする”。これ……俺の筆跡だな。どういうことだ? 辻さんのエピソードなのに、先輩と蕎麦とは……。その時、カレンが帰ってきた。

「ったくマジでゴミじゃんあれ。ねーシンイチ、部のパソコン壊れたわー」

「えっ⁉︎ あのノートまた壊れた? お前なんかやらk――」

「やってないやってない」

「けど何か原因あるだろ? 終業式前に、生徒用パソコンは全部回収されてメンテ入るから、なんとかしないと……」

「大丈夫だって。もうセンセーに渡してる。簡単な説明もしたし」

「なんて?」

「何もしてないのに壊れた」

 本当に簡単だな、まさに類人猿の説明である。その時、教室の扉が勢いよく開き――

「す〜ぱ〜ッ!」

 古風な(こえ)(かまびす)しく(とよ)むと、カレンは片手でパチンと顔を覆った。この展開、記憶の片隅にある気がする。もしかしてこれが“既読”というやつか? だったらスキップできるはずだ。


▷▷(早送りのようにイベントが進む)▷▷


 ある日の昼休み、常田先輩が職員室から出てくるのを見かけた。

「(๑ᵒᗜᵒ) あ、おーみやくん」

「え? なんでこんな所から?」

「(¯―¯٥) 最近車で登校してるから、おこられたの……」

 うわぁ。あんなデカくてピンク(再塗装した)のアメ車、先生に見つからないわけがない。eスポーツ同好会って、マジで職員室を逆撫でせずにはいられないのか?

「(;¯꒳¯ ) よりによって、校長先生のちゅう車場にとめていたらしいの」

「うわぁ……」

「(´͈ ᵕ `͈) ところでおーみやくん、お昼まだだよね? のんたんに教えてもらった、おそば屋さんに行かない? 車もあることだし」

 うわぁ……この人全然反省していない。てか、さらに逆撫でするつもり……ん? この時、以前手にしていたメモを思い出す。“先輩と絶対に蕎麦を食べに行くな”とは、このことじゃないか? なぜそうしてはいけないのかは、わからない。けど、書いた本人は他ならぬ俺だ。何かトラブルを避けるために違いない。

「あ、あ〜先輩? ちょっと今エンジン吹かすのは、人目付いてどうかと思いますよ?」

「(`ェ´) ヤダ〜! まいちゃん、おーみやくんとおそば食べた〜い!」

「ちょ、こんな所で声を荒げないでくださいって」

「٩(˃̶͈̀ロ˂̶͈́三˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ヤダヤダァ〜! おそば食べる〜! お〜みやくんと食べ行くのぉ!」

「廊下に寝そべって駄々こねるのはやめてくださいwww」


 合わせた手を戻し、目を開く。しんみりした気持ちになった。納骨堂は芳しい匂いが漂い、外とは違い少しひんやりして……ああ、あそこにエアコンあるんか。

「またダメだったか……」

 あの後、“蕎麦屋ではなくレストランに行った”、“外食せずに校内で食べた”などのパターンを試した。しかしいずれにせよ、辻さんから先輩とイチャつく写真を差し出され、そのまま別れ話となってしまった。

「どういうことだ? 過去を変えても、あるべき未来に修正されていくのか?」

 失意のうちに納骨堂を後にした。門を出ようとしたところ、敷居に足をひっかけて転んでしまった。

「クッソ、もうお手上げじゃねーか……」

 立ち上がりもせず項垂れる。せっかく妙案だと思ったのに。辻さんが写真さえ撮らなければ、いつもの騒がしくて楽しい日々が続くはずなのに……。

 今まで俺は何度辻さんの涙を落とさせた? 何度嫉妬の炎を煽って、心中の肝を焦がさせた? たった1つのイベントを変えたぐらいで、既に深く染まり切った心様まで、変えられるわけがない。先輩と辻さんの間でフラフラとしていた自身が、改めて憎たらしい。

「……」

 参拝者のただならぬ視線を感じた俺は、立ち上がって砂を払い、無気力に家路につくのであった。

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