第七章 学園の七不思議そのいちっ☆校舎裏の地上が見える大滝
「あ、そういえばさ、知ってる?」
一通りのたわいのない話の後にティースプーン角砂糖をこれでもかと入れた紅茶を一口。
「学校の裏の滝の噂…。」
「学校の裏の滝の噂…?」
こちらへ顔を近づけ、周りを確認し、ひそひそ声で話してくるマリア。
「聞いたことないけど…なにそれ?」
学校の裏の滝と言えば校舎の裏にポツンとある謎の水源から下へ下へ流れ落ちる大滝。
一応、滝壺はあるけど、その水が流れ落ちるところはない先生がへーさせいすいいいきとか言ってたけど、何のことだかさっぱりわからない。
独自の生態系を構築してて“だんくるおすてうす”とか“あのまろかりす”ってやつがいるのだとか。
それ?おいしいのかな?
今度、釣りしてる人に聞いてみる。
見かけは蓮の花の浮いたただの神聖そうな湖なんだけどね。
「誰かが、見たらしいのよ。よく晴れた日の朝に。」
一息つくマリア。
「その子が言うにはね。」
「地上が見えたって言うの。」
☆☆☆
「地上?」
「地上って、…あの?地上?」
うきうきした気持ちで聞き返す。
「そう、その地上。」
天界で地上と言えば、おとぎ話の代表。
誰も見たことのない世界。
確か、空に浮かぶ庭園に空飛ぶ列車、だとか、なんとか、すんごいものがいっぱいあるのだとか。
「それがね。学校の裏の滝の底に見えたっていうの。」
「えっ、それってもしかして、滝つぼに飛び込めば地上に行けちゃうってこと⁉︎授業ではもういけないって言ってた地上に‼」
「そこは授業ちゃんと聞いてたんだ?」
苦笑するマリア。
「今はもう行くことができませんがかつての地上では空を飛ぶ列車に…。様々な文明の…。」
イオ先生の言葉を思い起こすあたし。
たぶこれ、ぎり寝る前に聞いたやつだ。
それに天界では有名な話。
逆に言うと昔は行けたってことだよね。
「もう、いつも、授業聞いてないわけじゃないから。興味のあるとこだけ聞いてるの。」
「それ以外は?」
「睡眠学習‼」
「うーん。でも天使が地上に降りたなんて話聞いたことないし…。ましてや、滝つぼに飛び込んだなんて…。それにそんなに簡単に行けるような話でもないような気がするのよね…。」
「それに、そんなに簡単に行けるのなら見たことないっていうのはおかしいし、おとぎ話にもならないんじゃないかな?」
「そっか。確かにそうかも。」
「でも…。」
そういって紅茶を置くマリア。
「見えたってことはそこにあるってことなのよね。行けなくはないと思うんだけど…。」
「それ、ほんと?」
「うん、見たって子、知り合いだし…聞いてみる?」




