第六章 天使のオムライス☆と幕の内弁当の謎
鉄製のきれいなテーブルにクロスをしき、お弁当を並べるあたしたち。
えっ、揚げパンじゃ、ないのかって。
やだなー。そんなわけないじゃん。
そこまで女子力低くないし、お弁当ぐらい自分で作れるよ。
揚げパンはあたしのおやつだよ。
「うん、アリア大食漢だもんね?」
「タイショクカン?」
タイショクカンってなんだろ?ダジョウカンの友達?
「じゃじゃーん。きょうは卵入りのサンドイッチ弁当です。」
たっぷりたまごの入ったたまごサンドを見せびらかすあたし。
「え?それゆで卵、そのまま入ってない?」
「…。」
サンドイッチの断面を見てそう指摘するマリア。
まさかそれを指摘されるとは。
いや、気づいて当たり前か。
あたしの究極のずぼら飯。
いや、やったことないからたぶん、味の補償はしないよ。
「今日は時間なかったんだよ。いつもなら、ちゃんと作るんだけどね…。」
「ちゃんと、作ってたことあった?こないだは作って来たって言って、幕の内弁当持ってきたじゃない。食堂の…。」
「あれ?あれはね。えっと。目覚まし時計が鳴らなくて…。背中に空気を送り込んで起こす装置もダメだった。コンプレッサー壊れてたのか?よくわからないけど。」
「今日もそういえば、クラスの子が学園の窓から、食パンくわえて宙飛んでる天使見たって言ってたけど…。あれ?間違いなくアリアよね?」
「え?その食パン。いちごジャムぬってあったって?」
「うん。」
「それ、あたしだ。間違いなく。」
「ついでに口元にべったり、いちごジャムついてたって。」
気になって口元を確認するあたし。
うん、さすがについてない。…よね?
対するマリアはオムライス弁当。
というか弁当じゃなくて、皿に盛って、ドームカバー開けただけなんだけど。
それもうレストランなんだけど大丈夫そ?
ナイフで上部にすっと線を入れれば、とろんと、とろけ落ちる黄色い塊。
「え?これ卵ここで焼いてるわけじゃないよね?」
「ああ、魔法で保存しといたの。で、仕上げにソースかければ。天使のオムライスの完成よ。」
「っていうか、ここにいるのみんな天使だから、天使の…はいらないような気がするけど…。」
「気分よ、気分。微分積分いい気分って知らないの?」
「え?なにそれ?おやじギャグ?」




