第五章 おむれっと☆おむらいす☆はむれっと
「今日もいい天気―。」
お昼のあたたかな日差しがあたしの羽を温める。
今度の行先はお空に浮かぶ、天上庭園。
ほらあそこに浮いてる浮島あるでしょ?
え?重力どうなってんのって?
え?どうなってんだろね。
あたしにはわかりません。
浮島の大理石の手すりの上に華麗に着地するあたし。
「うーん。」
両腕を伸ばし、羽の付け根をぴんと張り伸びをする。
今日はお天道さまもご機嫌だね。
天日干しじゃないけど、日光に当てるとなんか気持ちいんだよね。
知らんけど…。
両足揃えて手すりからぴょんと跳ねてこれまた華麗に着地、Tポーズ。
残念…誰も見てなかったか。
石畳にところどころツタの生えた階段を背中の羽を羽ばたかせ、2段とばしで登る。
だってこの方が早いし。
まあ。たまに踏み外さなければの話だけどね。
天界は古い建物を補修して使ってるから、いろんなとこで耐用年数超えちゃってるんだよね。
特に浮遊してる建物は要注意。
石畳の下は雲海か、下に別の建物があったりするから。
うっかり、そのまま、落っこちると、最悪、地面に頭が突き刺さったっまTポーズしなきゃいけないことも…あるくらいだし。
まっ、ここ天界だし。
羽でブレーキかけて逆噴射してついでにパラシュート出せばいいだけなんだけど…。
後、落っことした石ころは要回収。
一歩まちがえば、スペースデブリになりかねない。
そして最近は庭園にあるガゼーボでお弁当を食べるのが私たちのトレンド。
というか種明かしをすると、食堂は学生と筋肉とあと筋肉と筋肉でごった返し、席が空いてないのだ。
そうこう考えているうちに、てっぺんについた。
階段はここで終わり。
「うん、お花の香りがいい感じ‼」
風で飛んでくるきれいに手入れされた花壇の白い花びらがあたしを出迎えてくれる。
そして、奥のガゼーボでいつもご飯食べるんだ。
ココはほかの天使も筋肉も来ない学園の穴場スポットなのだ。
ちなみにマリアとはここで合流☆
というか、あたしが教室出るの早すぎなのと、マリア、学級委員だから、黒板の掃除をしてるだよね。
ゴメンね。いつも一番乗りで。
「アリアー。おまたせー。」
反対側の手すりから声。
「待った?」
「うーうん、今、来たばっかだよ。」
「というかまた、揚げパン?よく飽きないね?」
手すりから降りながら、あたしが手に持ってる中身を言い当てるマリア。
「よくわかったね。まだ、何も言ってないのに。」
「というかそれしか食べないだけでしょ。というか袋から出てるし、揚げ物食べたって、飛行継続距離が延びるわけじゃないのよ。」
「そんなこと知ってるもん。」
「毎日食べてたらむしろ、コレステロール値あがって。体重重くなって、飛べなくなるだけどと思うのよね。」
「願掛けの意味で食べてるんだけどな…。」
急に太って、地面に衝突する様子を思い浮かべるあたし。
うんそれは本当にヨロシクナイ。
そしてヌケダセナイ。
「でもね、中身は日替わりだから‼」
「今日は鳥の胸肉味‼」
「うん、なにそれ?それ言われてその味、想像できる人いないと思うけど?」
「うんなんか、ぱさぱさシテるね。」
食感はいまいち…。味もうーん。
あれ、今日外れひいた?
何種類もある棒で外れひいたときみたい。
「それ?買う意味あるの?」
マリアにのぞき込まれるように見られるあたし。
「いや、買う意味はあるよ?」
うん、それなら教えて進ぜよう。
「知ってるマリア?鳥の胸肉にはイミダゾールジペプチドっていって…。」
「あのね?アリア。そんな神様フォン見ながら言われてもなーんにも、説得力ないわよ?わかってる?」
手元の神様フォン略してカミホの画面をガン見して話すあたし。
だってそんなの覚えてられない。
マリアみたいにそこまで頭良くないし…。
あたしの脳内の半分は遊びに使っちゃってるからね。
どっかにカンペかプロンプターがないとあたしは生きていきません。
「いいじゃん。早口言葉でも言えないよ。イミダゾールジ…。なんだっけ?」
また、神様フォン略してカミホの画面に目を落とすあたし。
「じゃあ、試しにアリア、早口で言ってみて…。」
「イミダゾールジペプチド、イミダゾールジペプチド、イミダゾール…。忘れた…。」
「それでそれ、どんな効能があるの?美容?頭良くなる?難病治る?」
「えっとね…。疲労軽減…。」
「アリア?疲れてる?」




