第三十七章 川の水底
しばらく歩くと大きな川の跡が見えてきた。
でも、水はなさそうだね。
イブちゃんの村と同じように川底が露出していて、底には魚たちの骨が散らばっているような状態。
あたりを見渡すと近くに石造りの井戸。
明らかに怪しい。
なぜなら、あの村にあったものと同じもの。
たぶんあの井戸の事だろう。
マリアが言うには少なくともあの爆弾よりは新しいらしいけど。
「少し調べてみましょう。」
穴の入り口は落ちてきたがれきのようなモノで蓋がされていたため、「せーの。」二人がかりで鉄の板や馬車の車輪を降ろす。
覗いてみると。垂直にぽっかりと開いた真っ暗な穴が顔をのぞかせる。
身を乗り出して見ても中は真っ暗で何も見えない。
「何にも見えないね。」
「石でも投げてみる?水があるかないかぐらいはわかりそうだけど。」
マリアからの提案。
「なるほど、それなら簡単だね。」
「ほいっと。」
試しに近くにあった石を投げてみる。
カーンカーンカーン、甲高い音。
そしてそのあと、聞こえてくる、ぴちょんという音。
「もしかしたら、まだ、水残ってるかも…。」
今度は近くに落ちていたブリキのバケツにロープをつないで放り込む。
今度はばしゃんと大きな音。
それをゆっくりと、引き上げていく。
「なんだ、あるじゃん。」
引き上げたバケツ、そこには、バケツいっぱいのなみなみとした水が入っていた。
「でも、取りに来ないってことは…。」
「この暑さだし、途中でなくなってしまうのかもしれないわね。」
「それとも、見つからなかっただけ?」
「それとも…ほかに何か…?」
「とりあえず、入ってみよ。結構水ありそうだし。それにあたし、もう暑くて耐えられないし。」
「それが理由?」
「だって、暑いんだもん。」
☆☆☆
「じゃ、あたしから。」
中はだいぶ深そう。
「行くよ‼」
その辺の頑丈そうなしっかりとした滑車にロープを引っかけて一気に飛び降りる。
ぐんぐん、伸びていくロープ。
しばらくするとぴしゃんという音。
そして涼しい。
真っ暗で何も見えないけど。
「オッケーっー。ついたよー。」
井戸の上にいるマリアに声をかける。
しばらくすると、真っ暗で何も見えない井戸の上から声。
「いくわよ。」
頭上から聞こえる返答。
「離れてて―。」
「わかったー。」
じゃぼん。
しばらくして上からマリアが大きな音を立て降りてくる。
跳ね返った水で服はびしょぬれ。
見えなくてもわかる。
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「また乾かさなきゃだね。」
でも、涼しいし、砂漠には案外ちょうどいいかも。




