第三十三章 荒れ果てた大地
思いっきり心当たりあった。
そもそもあれ、あたしたちだけで飲む予定だったから。
すっかり忘れていた。
「え?」
「ごにょごにょ…。」
マリアに事の顛末を説明するあたし。
「というわけなのです。」
「やはりアレは女神様でしたのじゃな…改めてお礼を申し上げますのじゃ。」
そこに首を突っ込んでくる村長。
「ああ…。それは事故というか…なんというか…。」
マリアがおろおろとそれにこたえる。
「それで女神様、ご相談なのじゃが…。」
「え?相談?」
え?まだ、何か?固まるあたしたちをよそに話し続ける村長さん。
「どうか村を救ってはくださらぬか。」
改まった様子で立派なおひげの村長があたしたちにお願いをしてくる。
「?」
一体何のことだろう?
もう病はエリクサーで結果的に治ったっぽいし。
「もちろん、タダでとはいわぬ。問題が解決した暁には、お二人の女神さまを称えた神殿を建てさせていただきますのじゃ。」
「神殿?」
「神殿‼」
「えへへ、それちょっといいかも…。」
あたしたちが考え込んでいると、報酬の話を始める村長さん。
神殿と言えば、ミカエル様みたいな三大天使や上級天使たちしか普通は作られない。
ということは神殿が作られればあたしたちも上級天使たちの仲間入り?
なんちって。
もし神殿が作られたら…。
どんなだろ…。
こんなかな?
もやもやあたしの中で作られる脳内妄想。
まずは高級料理店。
「あたし、デザートが食べたい。」
「はっ、すぐに。」
「ステーキちょうだい。もちろん、分厚いやつのA5ね。」
「はい、ただいま!」
「眠い。」
「こちら最上級のベットでございます。」
「熱い。」
「こちら氷河でできたシャーベットにございます。」
「寒い。」
「こちら、最上級の羽毛布団にございます。」
「ジュゴンが見たい。」
「はい!ただいま!女神様、こちらがジュゴンにございます。」
高級料理店に持ち込まれる巨大水槽。
「ん?これマナティなんだけど…。」
でも求めてたやつじゃない。
しっぽの形が違うし、お顔も違う。
「ちつれいしました。」
あわてて水槽を片付ける執事みたいな人。
「お寿司が食べたーい。」
今度は水槽を見てお魚が食べたくなってきたのでお寿司を頼んでみる。
「へいおまちっ。お客さん、今日いいのはいってるよ。」
お寿司はさすがにできなかったみたいで、別のすし屋にペガサスの馬車で移動。
結構いい感じの店構えだった。
「大将、今日のおすすめはある?」
席に着くや否や注文。
客の鏡である。
「今日は特上の…。」
「じゃあ、それで。」
特上のなんだろうか。
最後まで聞かない。
残してもスタッフがおいしく食べてくれるだろう。
上級天使だから。
「あいよっ。」
「特上いっちょ。へいおまちっ。」
「今帰った。」
家に帰れば、おつきのメイドたちに。
「おかえりなさいませ。お嬢様。」
「ふふ、苦しゅうない。」
騎士たち。
「姫様の御前であるぞ、ひかえおろー。」
「ははっー。」
ん?これはちょっと違うか。
でもでもやっぱ、サイコーだね。
多分こんな感じだよね?
えっ?違うの?
でも…とにかく。「その話乗った。」
二つ返事でOKしてがしっと村長と手を組みあうあたしたち。
「おお。そんなに喜んでいただけるとは思わなんだですのじゃ。ではさっそくじゃ、村の方へ、ご案内するのじゃ。」
「おまえたち、女神さまのお通りじゃ。荷車を持ってまいれ。」




