表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空のおとしもの  作者: stardom64


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/46

第十四章 地上ついちゃいました☆ミ


ザザザザザっー。

あたりに響き渡る音。


頬にぽつぽつとあたる固いモノ。


たぶんこれ、雨だ。

乱気流にでも飲まれて、天界第二階層のどこかに不時着でもしたのだろうか…。


徐々に目を開けると遥か上空にある黒い雲。


時折激しい稲光。


そしてそこから降り立つ、おびただしい数の水滴たちが私をめがけて押し寄せる。

上空から目薬差すのはやめていただきたい。


目元を拭い、頬をパチンとし、目を覚まさせるあたし。

手を見ると真っ黒な泥水が手のひらを伝い、下へと落ちていく。


手にはドロドロとした土の感触。

体の下には固い地面の感触。


「いてててて…。」


いつもの天界のふわふわした雲じゃない。

しっかりとした土。


雨水を吸い込み、ぬかるんでいる。

ねちょっとした感触。


立てばきっちり、そこに残る、足跡。

下にあるのは紛れもなく…地面だった。


「そっか…、着いたんだ。」


バシャバシャと羽についた水滴を振り払い、周囲を見渡すと…。

遠くの方にうっすらと建物のような影。


「人でも住んでるのかな?」


「あれマリアは?」

ふと、となりをみるとそこに親友の姿はない。


たぶん、乱気流の中で揉まれてはぐれてしまったのだと思う。

というかあの稲光の中飛ぶのは無謀にもほどがあった。


「マリア―。」

親友の名前を呼ぶあたし。


あんまり、遠くに行ってなければいいけど。

地上は結構広いらしいし。


端と端に落っこちたりなんかしてたら、探せないかもしれない。


リュックの中からレインコートを取り出し、相変わらずのひどい雨でびしょびしょになりながら、マリアを探すあたし。


レインコート持ってきてよかった。


というかレインコートの下はすでにびしょ濡れなんだけど…。

それはもう仕方ない。


というか雨だと羽濡れるし、ろくに飛べないし。

帽子のつばから垂れる大量の水。絶賛、視界不良。


「マリア―。」

もう一度大きな声で呼ぶあたし。


近くの川は増水。ものすごい音を立て、岩や木を運んでくる。


「うぉっ。」

あたしのすぐ脇を流れて行く濁流。天界では見たことのない光景。大きな丸太や岩が押し流されてくる。


「危なっ。」

はじめての地上の冒険、ちっとも気が抜けない。

大きな丸太をくぐり、道なき道を先へ。


すると、どこからか声。

耳をすませば、聞こえてくる。


何て言ってるかはわからないけど、たぶんそう。

声は川の向こう側から。


「マリア―。」


岩伝いに川を降り、増水した川に引っかかった大きな木の上を進む。

足で感触を確かめ…。


たぶん外れることはなさそうだよね…。

濁流に飲み込まれたらアレだけど…。


「うん、行けそう。」

とにかく猛ダッシュで走りきる‼

見る見るうちに勢いを増していく川。


向こう岸についたとたん、木や石を巻き込んだ濁流に押し流されていく大木。

ものすごい水しぶき。


危ないとこだったよ…。

一歩間違えば川の藻屑…。蟹のお仲間入りのとこだったよ。



「アリア―ここよー。」

上の方から声。

声が聞こえたほうを見ると大きな木の枝に引っかかった羽衣と、さかさまになったマリアの姿。


「とりあえず、降ろしてくんない?」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ