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空のおとしもの  作者: stardom64


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第十一章 深海探訪☆滝壺の下に見えるもの



それから。

今日はどうかな?


あたしは毎日天気をチェックするようになった。


曇り?

雨?

雪?

暴風雨?


礼拝堂で朝の日課である女神様へのお祈りをささげた後、校内で一番高い場所、礼拝堂の鐘楼に登り、滝の注ぎこむ、滝つぼを見つめる。


「うーん。見えるのはコイだけだねー。」

マリアと二人、湖の底をのぞき込むが、見えるのは蓮の花とコイたちだけ。


このコイたちの下に変な生き物たちがいるのだろうか。

いつもと変わらない光景。


その次の日、そしてまた次の日。

雨の日、風の日、嵐の日。


そしてその時は突然訪れた。


とある日の雲一つないよく晴れた朝。


課外実習用の探検服を着こみ、重たいリュックを背中にしょい、滝をのぞき込むあたしたち。

中に入っているのはちょっとした食料と、フライパン、お鍋、擦りむいたりしたとき用の小瓶に入ったエリクサーも忘れない。


空の上は晴れているけど、雲の下はいまいちな雰囲気…。

水面の下は薄雲がかかっていて、地上のちの字も見えない。


双眼鏡も持ってきたけど…。

見えるのは水面を動くアメンボだけ。


その下は雲のようなものは見えるけど…。


「コンディションはあまりよろしくない…。」


というかこの湖どうなってるの。

普通に泳いでたりしたらおっこちゃうよ。


「でも…今日いいじゃんと思って全部用意してきちゃったんだよね。」


背中にしょった重たいリュックをみるあたし。

羽に触るから。ほんとはあんまり背負いたくないんだけど。


むしろ、前に抱えて持ちたいタイプなんだけど…。


「でも、天気予報だと、曇りのち晴れって書いてあるわね。」

カミホの画面を確認して言うマリア。


「このあと、晴れるんじゃない?待ってればさ。」


「その間、釣りでもしてる?モササウルスぐらいなら、釣れるかもよ?アリアドネの釣り糸と釣り針持ってきたし。アノマロカリスの泳がせ釣りなんてどうかな?」


「あの、それ?あたしごと頂かれちゃうやつなんだけど…。あたし、食べてもおいしくないよ?」


☆☆☆


「そろそろかな。」


水面の下で徐々に切れ始める薄雲。

その先にかすかに見える緑の大地。


「本当にあった。あれが地上⁉」


かすかに緑の大地が見えるだけだけれど…。

一見、藻のようにも見えるけど…。


多分あれが地上。


ラジエルの話によれば、ずっと見えるわけではないみたいだから、急いで出発しないと…。

目的地を見失って、違うところに不時着しかねない。


地上にはドロドロの岩石や、立ち入り禁止のエリアもあるって言うし…。

戸惑っている暇はない。


「次この機会がいつ来るかはわからないし…。行っちゃうか。」


「先生にはあとでお小言言われるかもだけど…。」

リュックからラジエルにもらった、虹色の羽衣を取り出すあたしたち。


「準備はいい?マリア。」

「ええ、もちろん。」


「じゃ、せーのっでっ。いくよっ。」


『せーのっ。』


二人で水の中へと飛び込む。

息を止め、水泡を口から出しながら。


滝つぼの底を目指して進む。


そこに何があるのか。


あるいは何もないのか。


変わった生き物もたくさんいる。

やたら頭の丈夫そうな魚に、変な虫みたいな魚、黒い鉄みたいなちっちゃいカタツムリ。


「あれ?名前なんて言ったけ?」

口元からブクブク泡を出しながらマリアに問いかける。


「Chrysomallon squamiferum」


「???」


ナンテ?水中でもあるのも相まってよく聞こえない…。


「鱗を帯び、金羊毛をまとうものだって。」


「変な名前だね。」


「アリア…あそこに光が見える…。」


マリアの指し示す先。

底なのに光あふれる場所がある。


「たぶん、あそこだ。」


底に向かって手を伸ばすあたしたちなのだった。



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