第九章 天界大図書館のひみつ☆そのにっ
「えっなんだ。そんなことなの?。」
ニコニコ笑いながら手にもった本をめくるラジエル。
本とあたしたちどっちに興味があるのだろうか。
「マリアが私に用って言うから、何かと思ったけど…。もっと重要な話かと思った。見つけたい本が見つからないとか。」
「本は間に合ってるのよ。というかもう貸出上限いっちゃってるから。今日は借りるもんないのよ。」
そう返すマリア。
「用があるのはこっちの子。」
本を閉じあたしの方を見るラジエル。
「ん?なんでも言って?流行りの恋愛小説?それとも…。というかあなた、隣のクラスの子よね?ほら、羽の天日干しって言っていつだか寝てた…。確か…アリアちゃんね。私、ラジエル。図書館あんま来ないから知らないよね?図書委員会の委員長やってるの。」
「うん、あたし、アリアよろしく。」
手を差し出すあたしとそれを両手でやさしく握るラジエル。
「あと、あのとき、授業はじまりそうな時間になってもちっとも起きないから、起こしてあげたんだけど?覚えてる?」
「え?」
それ急に聞かれても…寝ぼけてて覚えてない…。
なんかやさしい声で起こされたような気がするんだけど…。
☆☆☆
「ね、起きて、授業はじまっちゃうよ?」
なんかやさしい声で肩をゆすられる。
「ふぁ…。」
視界の定まらないあたし。
金色の髪…。きれい…。
「出口はあっちよ。ひとりで行ける?」
優しい声で案内される。
「うん。」
速、本棚に激突するあたし。
いたい。
「出口まで連れてくよ?痛くない?」
「大丈夫。先輩ありがと。」
図書室には優しい先輩がいる。
そう思っていたあたしなのだった。
☆☆☆
「え?あれ?同級生だったの?ヤバいめっちゃ恥ずかしい。あとありがとう。」
顔を赤らめるあたし。
もっと上級生のお姉さんだと思ってたのに…。
というかあたしは酔っ払いか何かか。
「どういたしまして。それで用ってなにかしら?」
「学校の裏の滝の噂のことなんだけど。地上見たって本当?」
「ええ、確かに見たわ。よく晴れた日の朝に…。かすかに地上の緑の木々がね…。」
「ってことはだよ…。マリアとも話したんだけど。飛び込めば地上に行けるの?」
「行けるとは思うけど…。飛び込むのはやめておいた方がいいと思うよ。ここは地上のはるか上。」
手に持った本を脇に抱え、すました顔でおしとやかに笑いながら答えるラジエル。
「真っ逆さまに落ちて…。」
ラジエルはそばにあった紙を丸めて、高く投げ、落ちてきたところを魔法でバラバラにして見せる。
「少なくともバラバラ。助かる見込みもあんまりない。まぁ、ちょっとはあるかもだけど。それも確実ではないでしょうし。危険があるならやめといたほうがいい。」
「それに、授業で、習ったでしょ?地上には行くことができないって。それに、もし、行けたとしても、何があるかわからないわよ?」
本棚に本を戻しながら、そういうラジエル。
よく見たら図書館内での飛行レースの開催禁んずって紙に書いてある。
どこからそんな紙出したのかと思ったけど…。
ラジエルなんか貼ってたのか。
というかそんなことする奴いるのか。
「それでも行くの?」
マリアじゃなくて今度はあたしを見て言うラジエル。
なんでわかったんだろ?
「いや、だってマリアはそんなこと言わないでしょ…。」
先に答えを言われてしまった…。
そりゃそうだ。
でも、それでも、みたいじゃん。好奇心は止められないよ。
だって、空飛ぶ列車にあと…なんだっけ、ほら、地平線の先まで続く巨大都市に眠らない町。
とにかくすごいものがいっぱいの不思議な世界それが地上。
あと、そう、天界にはない“うみ〟ってやつもあるらしい。なんとそこは、なめるとしょっぱい味がするんだって‼
でも、確かに危険もあるかも。
地上には火を噴く車や巨人、一夜にして都市を滅ぼすキノコのような古代兵器もあるっていうし…。
「まじやばな噂も聞く…。」
「そうね、そういう噂もあるけど?でもね、もう、100年、200年、2000年、誰も地上を見たことがないといわれてる。それが本当のことだと誰が言えるのかしら?」
ぱたっと羽を閉じ地に足をつけるラジエル。
「それらはすべてあくまでおとぎ話。全部がホントじゃないのよ。たくさんの脚色や嘘もあるかもしれないわ。もちろん後世の私たちはそれを事実として受け取るほかはないのだけれど。」
「でもね、ひとつだけ確実なことがあるの。」
「それはね、地上が確実にあるってこと。」
「それも、この学校の真下にね。」
☆お知らせ☆
前半の…。
ほぼ書き直してます。
ラジエルの描写を追加しました。




