16 ミリオネア(16)
「カリーナ、良かっ、、、」
「アレス様、、、好き。ずっと、多分、初めて会った頃から、、、」
どうしていいか分からず、抱きついて打ち明けると彼に抱きしめられる。
「カリーナ、僕も好きだよ。あぁ、やっと帰って来た、、、」
そのままアレス様が意識を失ってしまう。
「アレス様!?」
「やっぱり、限界だったみたいだね」
「ヒューイ様」
「キミがいなくなってからほとんど寝てないみたいだからね」
「大丈夫でしょうか?」
「安心して寝てしまっただけさ。仕方ない、部屋まで連れて帰るとするかな」
そのまま彼の部屋で眠っている人の側にいる事になった。
カリーナも離れたく無かったし、何より彼の手がカリーナを掴んで離さなかったから。
そして目覚めた彼にそのまま寝台の中に引きずり込まれた。
「アレス様!」
「カリーナ、本当に僕でいいんだね?」
「どうして?」
「ちょっと歳が離れているし、、、」
「そんな事、、、」
「後何年かしたら、もっとおじさんにもなる」
「私は子供っぽいからずっと妹にしか見て貰えないと思っていたの」
「子どもにこんな気持ちにはならないよ」
そう言って彼の唇がふれた瞬間、ノックの音と共にヒューイ様が部屋に入って来る。
「アレス、リディアからの伝言だ。『ちゃんと約束事を交わしてから、先に進むように』って」
「ヒューイ、今伝える必要があったのか?」
「今、伝えないと間に合わないだろう?」
こっちは彼女が欲しくて仕方がないのに、婚約の許しを得てと言うなら王都まで戻る必要がある。
「分かった、明日ロートアに戻る」
商隊をロアンに任せるにしても、彼女を連れて戻るにはどんなに急いでも一週間はかかるだろう。
その間、どんなに彼女が欲しくても、手を出さないよう我慢しなくてはならない。
「あっそれから、こっちは彼女の幼馴染から、『僕から大切な幼馴染を奪うつもりなら、ドロテアの祭りで僕に勝ってからにして欲しいね』って」
「冗談だろう?」
「そのくらい付き合う必要があると思わないかい?」
ドロテアの祭りは夏の終わりにあるので、それまで王都に帰れない事になる。
自分の寝台の上で、頬を染めているカリーナを引き寄せながらヒューイに答える。
「二人に承知したと伝えてくれ」
「本当に?」
「少しくらいいいだろう、これ以上は自制する。とりあえず、お前は出て行け」
「了解」
「アレス様」
「ん?」
「本物のキスをするの?」
「誰に聞いた」
「ダナーに」
「されて、、、ないよな?」
カリーナが目を丸くして頭を上下させる。
「おいで、カリーナ」
腕の中にいるカリーナの唇に何度か軽く触れ、そのままキスが深くなると、漏れたカリーナの声が聞こえて来る。
『くそ、これから二か月以上このままかよ』
約束した以上、この状態を保たなければならない。
確かに深いキスをしただけでぼ〜となっているカリーナを抱くのは性急過ぎるかもしれないが、こっちは明らかに限界なのに勘弁して欲しい。
今まではアルコールで誤魔化していたが、それも難しいし、剣を合わせて汗を流せるような相手は、北の国にしかいないのにどうすればいいんだ。
これで終了になります。18禁になるような恋愛を書いてみたかったですが、自分には難しいです。
この後、閑話を1話。番外編を2話載せて終了となります。
しばらくお休みして、7月頃から過去の話を始めてみたいと思っています。
その時は、またお付き合い下さい。




