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やっと会えたな。ウズノフミ。ずっと、ずっとずっとずっと首を長くしてこの日を待っていた。
会えた、というのは語弊か。
お前がこちらを見つけたのだ。
やっとだ。
──俺という箱の中にずっとずっとしまわれていればいいのさ。
──いいか、薶の典。異類はいつか人間にしてやられる。奴らが思うほど人間は弱くない。お前もそれは知っているだろう。
戦乱の世、あちこちで人や異類が入り乱れ、陣地取りで戦っていた。さまよっては中立を装い続け殺されぬように暮らしていたウズノフミは高みの見物をして破壊される村や城を興味深く眺めていた。その際、竜空という高僧に釘をさされた。
あれ以来、彼ほどの技能を持つ魔術を行使する輩を見た事がない。
忘れていたはずなのに、今更、なぜ。
「ウズノフミ。お前に会えた時のためにとっておきの贈り物を用意していた。どうだったか?お気に召しただろう?」
どこからか声がする。四方から意地悪い感情を含んだ声色の主はクスクス笑っている。
「お前に会うために俺は苦労をしてきた。なあ、ウズノフミ」
(誰だ?知り合いか?)
「知り合い?笑わせるね。まあ、いいさ。今は忘れて楽しもう。これから世間知らずの『箱入り娘』と大冒険が始まるぜ」
(…待て。お前は)
「俺のウズノフミや。ずっと見てきたというのに、娘に指摘されて気づくとはね。井の中の蛙ってヤツかね」
「そこがまたいじらしいヤツだ」
「本当の箱入り娘はお前だよ」
──俺という箱の中にずっとずっとしまわれていればいいのさ。




