↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱入り娘は鎖を噛みちぎる ~邪神と小物の霊験説話~  作者: 犬冠 雲映子
記憶喪失の邪神・ハノキとの出会い
1/8

ウズノフミ

 ウズノフミはある噂を耳にして、道路を徒歩で歩いていた。車など通るはずもない荒れた舗装。

 たまに放置された粗大ゴミや──人骨。

 かなり昔に人がいた痕跡はあれど人っ子一人いない。漂うのはモッタリとした重々しい空気。

 どこからか怪鳥の鳴き声がし、ガサガサと野山の草薮を獣が移動する音がした。

 それだけだ。


 ウズノフミという人物は異類(あだに)という人でない種族だった。彼女は化けるのが上手く、ある人間に化けて一週間前、異類を敵視している政府機関にテロを起こして逃げてきた。その人間は先程逮捕されどうなったかは分からない。


 とにもかくにもその際にひどい傷を腕におい、痛みに耐えながらも人が生活できない場所まで逃亡してきたのだ。

 紆余曲折あってこの異類しか居ない土地までこれた。潜伏先となる建物か何かを探さなければならない。

 ──が、異類しかいないという噂は本当である。


 集落の痕跡しかない。井戸や建物の基礎しか残っておらず、迷い込んだ人の遺体や追突した車がたまにあるだけ。

 重だるい空気。奇妙な植物。奇っ怪な野生動物。

 異類ではあっても瘴気を放つ邪悪な存在がいると、滞在するウズノフミにも危険が及ぶ。

 噂は所詮噂か?


(いや、ワシはそれに望みをかけてきた。諦める訳にはいかん)


 あの山の峠を超えれば、また何か変わるかもしれない。

「おい、アンタ。死ぬ気か?」

 通りかかったトラックの主がこちらに話しかけてきた。

「ここの異類は特段やべぇヤツだ。早くしないと死ぬぞ」

「それは…知らなかった」

「乗ってきな。道の駅まで連れてってやるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。