第9話 アルディア王立貴族学院入学試験①
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遂に試験当日になった。俺とリクは朝ごはんを食べに、広間へとやってきた。
「腹減ったなぁ。ご飯しっかり食べて、試験に行くぞ。リクもしっかり食べとけよ」
「あぁ……」
いつもハイテンションなリクも最近はおとなしい。まぁ緊張してるんだな。
俺とリクは朝ごはんを食べ終えて、試験会場へと向かうため、家を出た。
「ソラ〜!リク〜!はいこれ、お弁当!今日はママが作ったの〜!」
母さんが弁当を持ちながら走ってやってきた。後ろからは父さんも来ている。
「ありがとう母さん!嬉しいよ!」
「ありがとう母ちゃん」
今日1日をかけて筆記試験と実技試験が行われる。
午前中に筆記試験、午後に実技試験だ。
「じゃあ行ってきます!」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい!気をつけて行ってくるのよ!」
「ソラ!リク!お前ら2人ならきっと大丈夫だ!頑張ってこい!」
「ありがとう父さん!頑張ってくるよ!ほらリク、行くぞ」
俺とリクはアルディア王立貴族学院がある、王都へと向かう。
ここから俺が空を飛んで行ったら30分ぐらいで着くが、リクの飛ぶ速度に合わせるため、1時間ぐらいかかる。
空を飛んでいる最中に、リクが話しかけてくる。
「よく考えたら、実技試験の対策ってほとんどしてなかったけど、平気なのかな?」
「うーん、まぁ大丈夫だろ。鍛錬続けてたんだろ?あと俺ともちょくちょく戦ってたし、平気平気!それよりも筆記で最低でも半分は取れよ。」
「ぐっ……頑張る。」
その後、空を飛んでいる最中に、俺はリクに一問一答形式で問題を出しながら王都へと向かった。
1時間後。
俺らは王都の上空を飛んでいた。
「あの少し奥にあるでかい建物が見えるか?周りは壁に囲まれてて、正面にでっかい門があるところ、あれがアルディア王立貴族学院だ」
「すっげぇ!あんなでかいところで俺らは学ぶのか?」
「まぁ受かればな。さて、そろそろ降りようか。」
俺とリクはあまり目立たないように、裏路地のところで降りて、そこからは徒歩で門の前まで向かった。
下から見上る門は想像以上に大きかった。
「さて、じゃあ受付を済まそうか。」
門の前の受付の長い長い列に並んだ。
「こんなに受ける人がいるんだな。ソラ、俺ら平気かな?」
「まぁ多いよな。10歳から15歳の人たちが一気に受けるからな。何回もリベンジできるから、去年落ちた人でも年齢が平気なら受けられるんだ。それで人が多いんだよな。」
「なるほど!だから合格ラインが7割で高いんだな!」
「そういうことだ。ただ、筆記試験の方はみんないつも7割以上を取る人が多いらしいが、実技試験でみんな点数が取れなくて、総受験者数の半分ぐらいは毎回落ちてるらしい」
「え!?実技試験の方が難しいのか!?」
「うーん、全体的に見たらそうなるな。ただ、リクは筆記試験を乗り越えないと話にならないからな。」
「頑張るよ!」
俺らがいろいろと話していると受付の番が回ってきた。
「おはようございます。それでは名前を教えてもらえますか?フルネームでお願いします」
「ソラ=フェルスです!」
「リク=フェルスです!」
「はい、確認しました。それではこちらのカードを持って、お進みください。このカードを無くしたら受験ができなくなってしまいますので気をつけてくださいね。それでは、試験頑張ってください」
俺とリクはそのカードを受け取り、学院内の敷地に入る。
「えっと、このカードに書いてあるのを見ると、最初の筆記試験はあの目の前の校舎内で行うらしいぞ」
「よし!早く行こうぜ!」
校舎内に入ると看板が置いてあり、受験番号ごとに筆記試験を受ける教室がどこかを書いてあった。
「俺らは5階の教室だな。」
階段を登り、教室に入るとすでに人が大勢いた。
「俺ら隣の席だな、あっちの奥の席2つっぽい」
「隣か!じゃあ試験始まるまで問題出してくれ!」
「もちろん、ただ、リク、声のボリューム下げろ。周りも勉強中だから」
「あっ、そっかごめん。」
とりあえず俺らは席に座った。
そして、30分ほど時間が過ぎると少し腰を曲げたおじいちゃん先生が入ってきた。
「はい、みんな揃ってるかな?それじゃあ、そろそろね、試験が始まるんでね。問題用紙と解答用紙は時間になったら机の上に現れるから、それまで静かに待っているように」
机に現れる?どういうことだと考えていたら、机に問題用紙と解答用紙が現れた。
「試験時間60分、始め」
驚いてるのも束の間に、試験が開始された。
俺は今までやってきたことをただ信じて問題を解くのみ。
60分後。
「試験やめ」
監督の先生の合図とともに、解答用紙だけが急になくなった。
あっという間の60分。手応えは結構あった。
「それじゃあ、これから13時までは好きにしてていいからね。13時5分から次の実技試験の説明を下の校庭でするので、集まってね」
そう言うととぼとぼと教室を後にした。
「リク、どうだった?解けた感じはしたか?」
俺はリクの方を向いた。だが、そこにいたのは今にも倒れそうなリクだった。
「ソラ……俺、結構まずい……」
リクの顔は今にも泣きそうだった。
「問題用紙に自分の答えた番号とかメモしてるよな?」
「うん……」
「見せてみろ」
俺はリクから問題用紙を受け取り、一通り確認してみる。
「あくまで、俺の解答と見比べた感じだと100点中の45点だな。まぁまだギリギリ耐えてる。実技試験で95点、まぁほぼ100点取らないと合格は無理だけど」
思った以上にやばい状況ではあるが、実技試験の内容次第ではリクなら全然合格できるはずだ。
「ソラ……ごめん」
「別に謝ることはない。大丈夫だって、自分を信じろ。さ、実技試験の前にお昼ご飯食べようぜ!母さんの手作り弁当だぞ!」
「そうだな……自分を信じるよ。弱気になってちゃいけないな。ご飯食べよ!」
その後俺らはおいしく母さんの手作り弁当を食べた。
ご飯を食べたあとは、俺らは校舎を離れ、校庭へと出た。そこには大勢の人がすでに集まっていた。
「結構受験する人っているんだな」
「まぁそうだな、まぁあんまり周りは気にすんな。自分のできることを100%やれれば絶対に大丈夫!」
俺はそこそこな点を取ってそんなに上位に行かないように調整しないとな。
そんなことを考えていたら、突然どこからか声が聞こえた。
「コホン!受験者の諸君、まずは筆記試験お疲れ様だ。筆記試験はどうだったかな。まぁ王族、貴族のみんなからすれば簡単だったかもしれんな。」
声の方を見ると、太陽を後ろにして、空中に誰かがいた。
「おっと、みんな目を瞑っておるな。そうか、眩しかったか。では、《天幕》。これで平気になったはずだ」
先生らしき人が天幕と言った途端、広範囲に薄暗いカーテンのようなものが広がり、太陽光を遮った。
見た感じ、校庭全てを覆っている。
俺はそれよりも無詠唱を使えたことが気になった。
「さて、それでは実技試験の内容を説明しよう。実技試験の内容は至ってシンプル。この天幕内で君たち生徒には2組に分かれてバトルロイヤルを行ってもらう。簡単だろう?まぁ頑張りたまえ。」
話が終わると、いきなり服の上の心臓のところに青いシールのような機械がついていた。
だが、周りを見ると赤色もある。多分それが組み分けなのだろう。
「ソラ、俺は赤だったからソラとは違う組っぽいな。点数の付け方はわからないけど、まぁとりあえずみんなを倒せばいいってことなのかな?」
「まぁそういうことなんだろうけど。とりあえず、俺から言えることは1つ。リク、手加減するな、全員倒す勢いでやれ。」
「あぁ、俺が戦闘で手を抜くわけないだろ?」
俺とリクが話していたら、どこからか、声が聞こえてきた。
「えー、みなさん聞こえますか?……聞こえるようなので、ルール説明をしますね。先ほどの先生が言ったことだけだと足りませんので補足させていただきます。まず大前提として、相手を殺すことを禁止します。殺してしまった場合は強制的に失格となり、受験資格を剥奪。その時点でお帰りいただきます。基本的にそれ以外ならなんでも平気です。そして、どのようにして決着をつけるかというと、みなさんの心臓の近くにシールのような機械が貼られていると思います。そこにどんな攻撃でも当たると負けです。みなさんはそこに攻撃が当たらないように、天幕内で戦ってもらいます。それでは、始めます。」
すると突然、俺は天幕の外へと移動されていた。
周りを見ると、青色のシール型機械が貼られてある人は天幕外に飛ばされたらしい。
すごいな。この人数を一斉に瞬間転移か……楽しくなりそうだ。
「では、1組目のみなさん、実技試験スタートです!」
そして、実技試験が始まった。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ その頃、どこかの場所にて。
「今年の受験生たちは豊作だといいわね」
「そうじゃのう。まぁ見所のありそうな奴はまだ見つかっておらんが、どうなるかの」
「ハッハッ!じじい、お前の目は節穴か?今、天幕内だけで5人はいるぞ。強いやつがよ」
「まぁまぁ、私たちはただ見ているだけでいいんですよ。評価をつける先生方はまた別にいますから」
「それもそうじゃの。」
「俺もあんなかに混ざって戦いてぇな〜」
「あんたが混ざったらとんでもないことになるでしょ!ここで大人しく見てなさいよ!」




