第10話 アルディア王立貴族学院入学試験②
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「では、1組目のみなさん、実技試験スタートです!」
俺の心の準備が整う前に実技試験が始まった。
まぁとりあえず、周りのやつらの攻撃を全て躱して、心臓付近についているシールを攻撃しまくればいいってことだ。
「まぁやるか。《闘気解放・青》」
俺は自身の移動速度を強化し、周りの奴らを攻撃しにいく。
勢いよく走りながら、一気に10人を脱落させた。
脱落になった人は天幕外に瞬間転移させられている。
「な、なんだあの速さは!」
「なんもできずに終わってしまった……」
各地でいろいろと戦闘が始まっている。
だが、今回のバトルロイヤルで生き残るためには1対1をしていたら、周りの攻撃がぶつかってしまうかもしれない。だから最適解は超高速で動き回ること。そして、いつもの攻撃よりもだいぶ威力を抑え、ちょっと触るぐらいの感覚で攻撃をしていった。
「おらおらおらおらぁ!」
俺は声を上げながら走りまくる。
「なんだあいつ!強すぎるだろ!」
「あんなやつが同年代にいていいわけないだろ!」
周りの奴らは魔術を詠唱している。そんな隙を晒していたら攻撃されて終わりだというのに。
俺と同年代のやつらってこんなに弱いのか?なんか少し期待外れだなと思っていたら、試験開始5分ほどですでに残りは10人ほどになっていた。
「おいおい、もうこんな少ないのか?相手にならねぇぞ」
「君もそう思っていたか!こんなに周りが弱いとは思ってもいなかったからな」
「誰ですか?」
「あぁ、自己紹介がまだだったね。僕の名前はシルフォード。君を倒す相手さ!覚えておきたまえ」
なんかやけにキラキラしてる奴がいたと思ったらこいつだったのか。
「はぁ、まぁ勝ちは譲れないんでね。さっさと終わらせるよ」
俺は一気に相手の懐へと踏み込み、シール型機械に攻撃を加える。
「ふふふ、そっちの僕は残像さ!こっちがほんた……」
俺は攻撃を加えた。
「戦闘中に余計なことを喋るのはやめた方がいいぜ。」
やっぱり弱い。
「それは君もじゃないかな?《火炎球》」
少し離れたところから魔術の火炎球が飛んできた。
ただ、遅い。遅すぎる。
俺はすっと横に躱して、攻撃をしてきた方に走っていく。
「遠くから攻撃するならもっと早い魔術を放たないとな。ただ、詠唱を先にしておくのは良かったと思うぞ」
そいつに攻撃を加えて、周りを確認する。
あたりには4人しかいなかった。俺を含めて残り5人。
「楽しませてくれよ?」
「おいおい、さっきからちょこまかと動いてる奴がいると思ったら、君だったのか。」
「……?誰だ?」
「覚えてないのかい?まぁ無理もないか。あれは8歳のころ……」
「知らん!」
俺は少し強めに攻撃をしてしまい、吹っ飛ばしてしまった。
「あ、流石に死んでないよな?というか他のやつはどうなってるのかな?」
周りを見ると3人とも戦っていた。いろんな魔術が飛び交っている。
それを俺は1人で座ってみていた。
「うーん、なんかなぁ……」
相手にならない気がする。あの魔術はなんだ?弱すぎる。本当に当てる気があるのか?
「ちっくしょ〜!本当ならもっとすごい魔術を使いたいのに、相手が死んだら意味がないから弱い魔術しか撃てないよ!」
「これじゃあ埒が明かないですね。こうなれば仕方がありません。みなさん死なないでくださいよ?大地よ、大地よ。我が信ずるは大地の精霊よ。その姿を表し、我の敵を葬り去ることを望む。《精霊召喚・大地の精霊》」
地面が盛り上がり、人の2倍ほどの大きさの土の巨人が姿を現した。
「これがあなたの切り札なの?そんなノロマそうなやつじゃ私に攻撃なんて当たらないわよ?炎よ、炎よ。私の呼びかけに応えなさい。全てを飲み込む灼熱の炎球となり、眼前の敵を灰燼へと帰せ《大火炎球》!」
大きな炎の塊が空中に浮かび上がった。
「あっれ〜!?みんな上級魔術使うの?それなら僕だって使うよ?風よ、風よ。我の呼びかけに応えよ。全てを飲み込む嵐を今ここに。荒れ狂い、全てを無に帰せ《大嵐》!」
風が勢いよく吹き始め、魔術を放った人物の周りを円を描くように風が舞う。
3つの上級魔術がぶつかり合い、衝撃波が少し生じる。その衝撃によって、校庭の砂埃が舞った。
「へ〜みんな今まで手加減してたんだな。というかこの風がシール型機械にぶつかったらやられるよな?風魔術は結構賢い選択だな。」
砂埃が晴れたあと、立っていたのは……
「ふぅ、やはりこの戦いだったら風魔術が1番効果的だと思ったよ。さぁあと1人だね。君はそこでずっと座って見てたの?もしかしてビビった?」
頭は結構良さそうなやつだが、嫌なやつだ。
「やれやれ、1対1になっても、相手との実力差が測れないようじゃ、この先生きていけないぞ?」
「その言い方だとまるで、君が僕よりも強いみたいに聞こえるんだが?」
「まぁ、強いな。それも圧倒的に」
「君……少しムカつくね。」
「それはお互い様じゃないか?」
「さぁけりをつけようか?」
「いーや、もうついてるよ。《瞬撃》」
一瞬で間合いを詰めて、攻撃をする。相手が喋る暇もないほど圧倒的な速さの攻撃。
その男は吹っ飛んでいった。
「実技試験やめ!いや〜みなさんいい戦いでしたね、お疲れ様でした。天幕内で受けたダメージはすでに治療されていると思いますが、もしまだ痛み等があればすぐに近くの先生に言ってくださいね」
俺は天幕外に出されたので、ソラの元へと向かう。
「ソラ!1位取ったぜ!これなら平気かな?」
「よく頑張ったな。まぁリクの敵になるやつはいなかったな。ただまぁ、点数がどうやってつくか分からない以上、完全に平気だとは言えないけど、実技試験で1位のやつを落とすとは考えにくいな。まぁだから安心してろ」
「そっか!じゃあソラの試合じっくり見てるね!」
ソラの試合はすごく楽しみだ!どんな魔術でみんなを倒すのかな?
「あーそれなんだが、あんまり見なくていいぞ。」
「どうして?」
「1位取るつもりはないからな。ある程度生き残ったら自滅するさ」
「なんで!?それじゃあ受からないかもしれないじゃん!それになんのメリットがあるの?」
「あぁ、それについては筆記試験で多分満点付近が取れてるから平気だと思う。それに、1位取ると嫌でも目立つだろ?そしたら、自由に魔術を極められないじゃないか。俺は自由がいいんだよ。誰にも縛られず、期待されず、が1番だからな」
「なるほどな!それは確かにそうかも!ソラは魔術のことばっかりだな!」
「リクの武術バカには言われたくないぞ?」
「こっちこそ魔術バカには言われたくないね。」
「それでは、2組目のみなさん、準備はいいですか?まぁ良くなくても始めるんですけど」
先生から全体に声がかかる。
「じゃあソラ、ぼちぼち頑張れよ。」
「あぁ、ぼちぼち頑張るよ〜」
「それでは2組目、実技試験スタート!」
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ 1組目の実技試験中、どこかの場所にて。
「あいつ速いわね。あんたよりも速いんじゃないの?」
「ハッハッ!流石にそれはない!ただまぁ、あいつは相当戦闘センスがいいな。あの速さで正確にシール型機械を狙っている。そして、力加減も相手に合わせて微調整をしておる。」
「ほぉ〜あやつはすごいな。何という名前か分かるかの?」
「確か、リク=フェルスだった気がします。今年が初めての受験となる10歳で、双子の弟ですね。」
「あんた、全受験者の情報覚えてるの!?相変わらず記憶力すごいわね」
「10歳であんなに強いのか!というか、双子の弟と言ったな?兄はどうなんだ?どこにいる?」
「兄は天幕の外から眺めておるぞ。」
「兄の名前はソラ=フェルス。フェルス家の長男ですね。」
「あいつも強かったらとんでもない双子ね。それよりも、残り4人になったわよ!」
「リクとかいうやつ以外の3人もなかなか見どころがあるやつだぞ!上級魔術を使っているな。入学前に上級魔術を使えるやつなんて滅多にいないからな。今年は豊作っぽいな!」
「お、あっという間に決着がつきおったわい。」
「早かったですね。これは次の2組目も楽しみです」




