第3話 専属メイドが家にやってきました
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俺とリクは1歳の誕生日を迎えた。
「ソラ!リク!誕生日おめでとう〜!」
「おめでとう!ソラ!リク!お父さんは嬉しいぞ〜!生まれてから1年経つのはあっという間だったなぁ!泣けてくるぞ!」
「ありがとう母さん、父さん」
やはり誰かに祝ってもらうことは嬉しいな。
「ありがとう父ちゃん!母ちゃん!」
弟のリクもとても喜んでいる。
1歳になった俺とリクはどちらも日常的な会話くらいなら普通にできるようになっていた。
「誕生日プレゼント、というにはちょっと違うかもしれないけど、私もパパもこれからお仕事が忙しくてあまりかまってあげられないかもしれないから、ソラ専属、リク専属のメイドさんに来てもらったわ。2人ともいらっしゃい!」
母さんがそう言うと、扉が開きメイド服を着た2人の女性が入ってきた。
「左の銀髪のメイドさんがソラ専属メイドのリリアで、右の金髪のメイドさんがリク専属メイドのミーナよ」
「ご紹介にあずかりました、リリアです。ソラ様これからよろしくお願いいたします」
「ご紹介にあずかりました!ミーナです!リク様これからよろしくお願いいたしますね!」
そう言うと2人は揃って深々とお辞儀をした。
「よろしくね!リリア」
「よろしく!ミーナ」
その後はみんなで美味しくディナーを食べて、ケーキを食べて誕生日は終わった。
俺は自分の部屋へと戻るために廊下を歩く。俺の少し後ろをリリアが歩いてついてくる。
俺は自分の部屋に入るとリリアもついてきて入ってきた。
「ソラ様、寝られるように準備をいたしますので、少しお待ちください」
そう言うとリリアはテキパキとベッドの状態や電気の明るさ調節などの準備を終わらせた。
「何かございましたらすぐお呼びください。」
リリアは一礼すると静かに扉を開け部屋から出た。
これから専属メイドのリリアとの生活が始まる……
俺の頭の中は、たった1つのことでいっぱいだった。
魔術のことどうしよう……
そして次の日の朝。
「ソラ様おはようございます。本日は晴天で絶好の散歩日和ですが、いかがなさいますか?」
俺は朝6時に起こされた……早い。いつもは二度寝して9時ぐらいに起きているからか、眠くてしょうがない。
「あ〜おはよ〜リリア。散歩は、1人で行くよ。うん」
俺は1歳の誕生日の次の日に攻撃系魔術を使ってみようと前々から決めていた。だからどうにかして1人で散歩に行く必要がある。
「いいえ、1人での外出は危険です。ソラ様はまだ1歳なのだから、攫われてしまうかもしれませんよ?」
リリアは少し怖い口調で俺を脅してくる。まぁ、攫われる危険性は承知の上で今まで1人で外に出ていたからなぁ。ただまぁ、リリアに今まで1人で散歩に行っていた(こっそり家から抜け出してた)なんて言えるわけがないんだよなぁ。
「リリアは心配性だね。大丈夫だよ」
「いいえ付いて行きますからね。ソラ様のお世話は全て任されていますので」
これは何を言っても聞かないやつだな……
俺は1つの覚悟を決めた。
「そんなについてきたいなら別にいいよ」
そう、散歩中にリリアを撒く。これは絶対的な最優先事項だ。
そしてお昼頃。
さて、散歩の時間になった、俺の目的はこの後ろにいるメイドのリリアを撒くこと。俺が自由に魔術を楽しむためには必要なことなんだ。ごめんよリリア。
俺は家を出て数分歩いたところにある木々が多い森にやってきた。
「ソラ様?ここだとせっかくの散歩日和だった太陽から隠れてしまいますが」
「あぁ、ここはね。俺のお気に入りのところなんだ。
涼しいところが好きでさ」
嘘である。お気に入りの場所?そんなところなわけないだろう。涼しいことが好きなのは否定しないが。そんなことより、ここはいつしかメイドが散歩についてこなければならなくなった時に、撒くために使おうと思って探しておいたちょうどいいところだ。
少しここの木々の間を通ったあと、すでに研究していた魔術《透明化》を使い、メイドを撒く。完璧な作戦だ。
よし、作戦を決行する。
リリアから俺の姿が木で完全に隠れた、その一瞬。
俺は心の中で《透明化》と唱えた。
よし、これでリリアを撒けるはず。
「おや、ソラ様が見当たりません……これは困りましたねーどこに行ってしまわれたのでしょうー」
(透明化……1歳で、ですか……)
リリアは俺のことをちゃんと見失っているようだった。
「これではソラ様のお母様になんと言ったらいいか、夕方ごろまでには連れて帰らなければー、また夕方にここに探しにこようかなー」
(なぜ私から隠れるようなことをするのか気になりますが……まぁ1歳で透明化を使えるんです、大丈夫でしょう)
よし、リリアを撒くことに成功した。さてさて、それじゃあ移動するか。
俺は飛翔で空を飛び、荒野へとやってくる。
「ふぅ〜到着っと」
ここの荒野は、俺の飛翔が父さんと母さんに見つかってから、1人で魔術を練習できる広い場所を探しに飛び回っていたら見つけた場所だ。
「今日は初めての攻撃系魔術を使ってみよう!初めて使う攻撃系魔術はもう決めてある!」
俺は息を整え、右手を前に突き出し構える。
「炎よ、我の呼びかけに応えろ。敵を焼き尽くす赤き火の球となれ。《火球》!!!」
右手の前方に火の球が現れ、前へと勢いよく飛んでいく。
「できた……これが初めての攻撃系魔術!すごい!すごいぞ!」
遂にやった!これが攻撃系魔術の力……!前世は17年生きてきて魔術を使えなかったから……本当に嬉しい。
俺はこの後も夢中になって火球や水球、風刃などのいろいろな攻撃系魔術を試していた。
そして時間が過ぎていき、気づけば空は少し薄暗くなっていた。
「あれ?もう暗くなってきてる……やっぱり朝から練習しにこないとあっという間に時間が過ぎちゃうな。そろそろ戻るか」
俺は昼間にリリアを撒いた森へと戻ってきた。
そこには案の定、リリアが探しにきていた。
「見つけましたよソラ様!どこへ行っておられたのですか?」
「ずっと森に迷っていたよ」
もちろん嘘だけど。
「そうですか……まぁそういうことにしておきましょうか」
「ん?何か言ったか?」
「いえいえ、ずっと心配しておりましたよソラ様。では家に戻りましょうか」
よし!上手くいった!作戦成功だ!
この調子ならこれからも自由に魔術の研究ができそうだ。




