表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神絵師、二〇二六年七月に死す  作者: 海内裏
第五部:黒船の影と、デジタルの終焉(二〇二六・〇一-二〇二六・〇七)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/25

第二十一章、血飛沫の狂宴と、神経衰弱の鬼才

人々の心がますますささくれ立つなか、その狂気に呼応するように、落合芳幾と、若き鬼才・月岡芳年の二人が立ち上がった。二人は画面を血飛沫と暴力の色彩で染め上げる、凄まじい残酷イラストの連作をネット上で競作した。現実の暗さに歪む大衆は、その過激な血の表現に狂喜乱舞し、画面のアクセス数は爆発した。

「世の中が狂ってるなら、狂った絵を描くまでだろ!」

芳年は、記号化された萌えの嘘を剥ぎ取り、人間の業を剥き出しにした残酷な絵を画面に焼き付け続けた。ネットのインフラ体制が一新され、新たな時代へと移行する激動期のなか、その血塗られた表現はタイムラインで大評判となった。

しかし、新時代の波は冷酷だった。社会のインフラとして新しい効率的な移動手段が街に登場し、本格的なデジタルニュースメディアが次々と創刊され、さらには表現の自由を根本から縛る新たな規約の制定が矢継ぎ早に行われる。およそ六分の一に濃縮された世界の、あまりにも早すぎるスピード感と技術の変革に、芳年は精神のバランスを崩し、深刻な神経衰弱に陥って画面の向こうへ沈んでいってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ