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第二十章、百景の絶唱と、受け継がれぬ青
この混沌のなかで、風景画の巨匠たる歌川広重の魂を継ぐチームは、自らの集大成となる、実在する美しい都市の景色を様々な視点から切り取った百枚を超える風景画シリーズをタイムラインに連投していた。それは、過激なキャラクター消費に傾くデジタルアート界に対する、最後の美しい絶唱のようでもあった。
しかし、画面の外の実社会で恐ろしい感染症のパンデミックが猛威を振るい、広重の系譜を支えた中心人物もまた、そのウイルスの病に倒れて静かにこの世を去った。巨匠の技術と名跡を託された、二代目の広重だったが、相次ぐ別のウイルスの流行で社会全体が荒廃するなか、チーム内の人間関係の破綻から離別。かつての栄華から切り離された二代目は、業界の表舞台を完全に追われ、お茶のパッケージデザインなどの、画面の片隅にある小さな内職仕事でかろうじて食い繋ぐまでに没落していった。




